サツマイモ畑に潜む宇宙人
2024年9月24日
生物
サツマイモを収穫する季節です。そろそろ掘ろうと畑に行ってみると、宇宙人がいっぱいいました。
ヨツモンカメノコハムシの幼虫
ヨツモンカメノコハムシ Laccoptera quadrimaculata の幼虫は、自分の脱皮殻と糞を背中に乗っける習性があります。脱皮殻や糞を乗せることにより、生き物ではなくチリやゴミに見えるようカモフラージュしていると考えられます。このように、自分の糞を体に乗せる生物には、例えばユリクビナガハムシの幼虫が挙げられます。ユリクビナガハムシは、体すべてが糞に覆われるため、糞か泥が葉の上についているようにしか見えず宇宙人感はありません。
一方、ヨツモンカメノコハムシは体の側面についたトゲが目立ち、糞の積み上がり方も個体や齢数によって異なります。
遠目には確かにゴミに見えるかもしれませんが、よく見るとかなりインパクトがある見た目です。しかも糞の積み上がり方に個性があるため、いろいろな個体を探してみるのが楽しくなります。
ちなみに成虫はこんな姿です。
タテスジヒメジンガサハムシの幼虫
タテスジヒメジンガサハムシ Cassida circumdata の幼虫は、おしりに脱皮殻をくっつける習性があります。こちらに至ってはせっかく緑色の体で緑色の葉の上にいて目立たないのに、茶色の脱皮殻をくっつけているため、人の目からはむしろ目立って見えます。色と雰囲気が随分違いますが、体の側面にトゲがついていて、形態はヨツモンカメノコハムシの幼虫と似ています。
なお、ヨツモンカメノコハムシもタテスジヒメジンガサハムシも日本のほとんどの地域で国内外来種です。こららの分布や生態については、サツマイモで見つけた国内外来のハムシたちで詳しく取り上げています。