キュウリグサってキュウリのにおいするかなぁ

2025年4月24日 生物

春の野原では、待ってましたと言わんばかりに色とりどりの花が咲き乱れますが、その中でも、控えめで可愛らしい花をつけるのがキュウリグサです。

キュウリグサとは?

キュウリグサ

キュウリグサ Trigonotis peduncularis は、ムラサキ科キュウリグサ属の越年草です。日本に自生する身近なキュウリグサ属の植物には他にミズタビラコがあり、キュウリグサに似た花が咲きます。ムラサキ科の植物では、ワスレナグサ属のワスレナグサが園芸植物として有名です。キュウリグサの和名の由来は、葉を揉むとキュウリのにおいがすることと言われていますが、正直私はキュウリの臭いと感じたことはありません。秋に発芽し、冬の間はロゼットになって地面にへばりついて春を待ち、3月から5月に直径2mmほどの小さな花を咲かせます。花を咲かせながらどんどん高く伸び、30cmくらいの高さまで成長することもあります。

どこでみられるの?

キュウリグサ

アジアの温帯地域から東ヨーロッパに分布します。日本には、ムギの伝来とともに伝わった史前帰化植物と考えられています。現在は、日本全国の畑や道端などに生育します。あまり目立ちませんが、都市部の公園などにもよく生えているので、その気になって探してみればすぐに見つかる身近な植物です。

くるくる巻かれた花序から次々に花が咲く

キュウリグサ

キュウリグサの花は、よくみないと気づかないほど小さな花ですが、もっとよくみてみると花の付き方も変わっていることに気が付きます。蕾のついた花序が先端でぐるぐると巻かれた状態になっており、その花序を基部からまっすぐ伸ばしながら次々に花を咲かせていきます。

サソリの仲間

サソリの仲間 photo by Kmo5ap, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

ぐるぐると巻かれた花序がまるでサソリの尻尾のようであることからサソリ型花序と呼ばれています。