2026年3月12日

ヒクイドリってどんな鳥?

地上を走る大きな鳥といえば、アフリカのダチョウが有名ですが、オーストラリアや東南アジアにも、飛べない大きな鳥がいます。

ヒクイドリとは?

ヒクイドリ

ヒクイドリ Casuarius casuarius は、ヒクイドリ目ヒクイドリ科ヒクイドリ属の鳥です。ニューギニア島、アルー島、オーストラリア北東部の海沿いのごく限られた地域に生息します。IUCNレッドリストでは生息数は2万から5万羽と推定されており、絶滅のリスクは低懸念ですが、生息数は減少傾向にあると考えられています。主に熱帯雨林に生息しますが、サバナ気候区にも生息します。

なにを食べるの?

ヒクイドリは、様々な植物の果実を食べることが報告されており、クスノキ科やマキ科、ヤシ科、ナス科、ブドウ科など少なくとも26科に属する植物の果実を食べます。ヒクイドリは、大量の植物の果実をほとんど丸呑みし、中の種子を潰すことなく糞をするため、種子散布に大いに寄与していると考えられています。

ヒクイドリの糞
ヒクイドリの糞塊と思われる種子の集まり

ヒクイドリの糞によく含まれている鮮やかな青色の果実をつける植物 Cerbera floribunda には、「ヒクイドリのプラム」(Cassowary Plums)という名までつけられています。この植物の果実は大きな種子を含むため、種子を傷つけずに散布を行える動物はヒクイドリのみだと考えられています。

ヒクイドリ
ヒクイドリの糞の中から見つかったものと同種と思われる果実:鮮やかな青い色をしていた。
ヒクイドリの糞の中から見つかったものと同種と思われる果実:こちらは大変大きく、丸呑みできる動物は限られると考えられる。
ヒクイドリが食べていた果実
糞中の果実:大きな種子が一つ入っていた。

ヒクイドリはエミューと近縁

エミュー
エミュー(Photo byBenjamint444, GFDL 1.2, via Wikimedia Commons)

ヒクイドリ目は、エミュー科とヒクイドリ科に分けられます。エミュー科は、エミュー属のエミュー1種のみで、ヒクイドリ科は、ヒクイドリ属のヒクイドリ、コヒクイドリ、パプアヒクイドリの3種が現存します。ヒクイドリ目の4種はすべて、オーストラリア、タスマニア島、ニューギニア島とニューギニア島周辺にあるヤペン島のいずれかの地域に生息します。

ちなみに、飛べない大型の鳥といえば、アフリカに生息するダチョウが有名ですが、ダチョウは、ダチョウ目に属しそれほど近縁というわけではありません。ただし、鳥類全体で見ると、全鳥類の約99.5%を占める新顎類と、約0.5%のみが属する古顎類の大きく2つに分けられ、ダチョウ目もヒクイドリ目も、この古顎類に分類されます。

身体能力が高いヒクイドリ

ヒクイドリ
ヒクイドリ

ヒクイドリは、150cmから180cm、体重は平均58.5kgほどで、ダチョウに次いで重い鳥といわれています。これまでに記録されている最大の個体は、高さ190cm、重さ85kgです。

森林の中で、時速50kmで走ることができ、1.5mの高さまでジャンプすることができます。また、水辺を好み、泳ぎも得意で川を泳いで渡ることもできます。また、3本指のうち内側の爪は12.5cmに達することもあるとされ、その爪を使って敵と戦います。