2026年4月21日

ニッポンヒゲナガハナバチ

春に花が咲くと、どこからともなく昆虫たちも集まり賑やかになりますが、春にしかみられない可愛らしいハチがいます。今回は、ニッポンヒゲナガハナバチのお話です。

ニッポンヒゲナガハナバチとは?

ニッポンヒゲナガハナバチのメス
ニッポンヒゲナガハナバチのメス Photo by Cybisters

ニッポンヒゲナガハナバチ Eucera nipponensis は、ハチ目ミツバチ科ヒゲナガハナバチ属のハチです。体長は11-12mmでニホンミツバチやセイヨウミツバチと同様ですが、彼らよりも毛深く、ふわふわしています。国内では北海道から九州に分布します。公園や庭などで普通にみられ、シロツメクサ、レンゲ、ツツジ、ブルーベリーなどの花に訪れます。

長い触覚をもつオス

ヒラドツツジに訪れるニッポンヒゲナガハナバチのオス

ニッポンヒゲナガハナバチが属するヒゲナガハナバチ属Eucera は、ハナバチ類では珍しくオスとメスが一目で見分けられます。オスの触角はメスに比べてはるかに長いです。同様にオスの触覚が長いハナバチ類にコヒゲナガハナバチ属 Tetraloniella があります。

メスの触角は長くないため、ニホンミツバチやセイヨウミツバチのワーカーと見間違えるかもしれませんが、本種のメスは腹部が丸っこく、慣れてくると雰囲気が異なることに気づきます。

春にしかみられないニッポンヒゲナガハナバチ

ハチミツを集めることでよく知られているニホンミツバチやセイヨウミツバチは、早春から晩秋にかけて比較的暖かい季節であればいつでもみられます。一方で、ニッポンヒゲナガハナバチは、春に現れて6月頃には姿がみられなくなります。ツツジが咲く時期には活動個体が多く、ツツジ花の中に潜り込んで蜜を吸う姿がよくみられます。

土の中に巣を作る

ニッポンヒゲナガハナバチ
ブルーベリーの花に訪れるニッポンヒゲナガハナバチのメス

ニッポンヒゲナガハナバチは他の大多数のハナバチ類と同様に単独性で、セイヨウミツバチやニホンミツバチのような巨大なコロニーを作りません。ヒゲナガハナバチ属は一般に、地面に坑道を掘り、そこから分岐する数個の育房を用意して卵を産み付けます。おそらく本種も同様の巣を作るものと考えられます。