ネイチャーポジティブの実現へ、自然資本を拠点・種単位で可視化する「BiomeViewer」の分析精度を大幅強化 〜TNFD対応に向け、自然資本の可視化・分析をより高精度化〜
2026年5月15日
株式会社バイオーム(本社:京都府京都市、以下バイオーム)は、生物分布予測を可視化し、企業の自然資本の収集・解析を支援する「BiomeViewer(バイオームビューア)」を大幅アップデートしました。本更新により、生物分布予測の精度が向上し、企業・団体の事業活動における自然資本への依存・影響評価、ならびに重要エリアの特定を、より高精度なデータでサポートします。
BiomeViewer:https://biome-viewer.com
開発の背景
ネイチャーポジティブの潮流を受け、企業は自然資本への依存・影響を踏まえた経営判断と情報開示が求められています。一方で、自然資本が目に見えないがゆえに、どの事業拠点が、どのレベルで生物多様性に依存・影響しているのか、定量化が難しいという課題が残ります。
BiomeViewerは、独自の生物多様性ビッグデータをもとに、生物分布を高解像度で可視化することで、事業と自然との関係性(依存・影響)を事業拠点ごと、さらには種ごとでの把握を可能にします。現地調査が難しいエリアにおいてもデータに基づく分析が可能となり、将来的な自然資本リスクの特定と評価を支援します。
TNFDをはじめとする自然関連情報開示へのニーズがさらに高まる中、企業活動における自然資本のより正確な評価を支援するため、BiomeViewerの基盤技術の刷新が求められていました。この状況と並行し、当社における生物多様性ビッグデータの蓄積、データのクレンジング技術、およびモデルの予測技術が向上したことから、この度、分析の根本的な精度を高める大規模アップデートを実施するに至りました。
3つのアップデートによる予測精度向上
1. データ量が約2.5倍に拡張
BiomeViewerでは、専門家データ(GBIF、公的モニタリング、学術論文など)に加え、バイオームが開発・運用するいきものコレクションアプリBiomeをもとに得られた生物データが統合されています。
今回の更新では、生物データ量が従来の約2.5倍、対象の種数は約1.2倍にも拡大。このデータ量の増加と市民科学による広範なデータ収集の結果、市街地から草原、農耕地、湿地、森林、河川、湖沼、海岸に至るまで、幅広い環境をカバーしながら、より多くの種を対象に、精度の高い生物分布予測と分析が可能になりました。
2. アンサンブルモデリングによる予測精度の向上
従来の単一解析モデルに代わり、最大4種類の解析モデルを組み合わせる「アンサンブルモデリング」を採用することで、分布予測の精度が大幅に向上し、より信頼性の高い評価結果を得られるようになりました。これにより、これまで単一モデルでは捉えきれなかった生息環境の特徴も反映が可能になりました。
3. 環境データの刷新
今回の更新では、最新の衛星データを含む高解像度の環境データへと刷新しました。これにより、より細かな環境の違いや最新の環境変化まで捉えた、高精度な分布予測が可能になりました。
BiomeViewer概要
独自の生物分布ビッグデータと独自の解析技術を用いて、「どこに、どのようないきものが生息しやすいか」を高解像度で可視化するマッピングツールです。企業の事業エリアと重ね合わせることで、事業と自然との関係性(依存・影響)を把握し、リスクと機会の洗い出し、対策の優先順位づけをサポートします。
■ 主な機能と活用シーン
3つのアプローチで、各企業・団体の生物多様性保全の活動をサポートします。
1. TNFDにおける自然資本データの収集・解析
バイオームが持つ独自の生物多様性ビッグデータを活用し、TNFD開示を一気通貫でサポート。各事業者のマテリアリティ (重要課題) に対応した様々な評価指標を算出できます。
2. 約1kmの高解像度メッシュで分布を表示
事業所周辺の自然資本状況の把握、OECM候補地や自然共生サイトの絞り込み、さらには保全地域の評価にも活用できます。
3. 自然資本の重要エリアを戦略的に決定
対象種ごとの分布予測地図を高精度に出力、例えば、環境指標種や文化的サービスを提供しうる種などを組み合わせることで、評価目的に応じた独自指標を地図上に可視化することができます。
すでに複数企業のTNFD対応を支援しており、多くが継続・リピート利用に至っています。
今後の展望
バイオームは今後も、生物多様性データを経営判断に活用できる形で提供し、企業の持続可能な事業運営を支援していきます。
株式会社バイオームとは
「生物多様性の保全を社会の当然に」を掲げる京都大学発のスタートアップ。独自の名前判定AIを搭載した、いきものコレクションアプリBiomeを提供し、2026年4月現在は累計125万ダウンロードを突破。1,000万件を超える生物データを持つ、国内最大級のリアルタイム生物分布データベースを構築しています。
このビッグデータを活用し、企業の自然関連財務情報開示(TNFD)の支援や、自然共生サイトの認定支援、都市開発における生物多様性評価などを行っています。地域の実測データに基づく分析・解析というネイチャーポジティブのボトルネックを解消し、環境保全と経済的合理性が両立する社会基盤の創出に取り組んでいます。
※希少種の生息地保全や都市評価への影響といった観点に配慮し、 サイト上で一般公開されているデータは、分類群レベルでの種数の表示に留めております。
https://biome-viewer.com
最新のお知らせ
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2026.05.15プレスリリースネイチャーポジティブの実現へ、自然資本を拠点・種単位で可視化する「BiomeViewer」の分析精度を大幅強化 〜TNFD対応に向け、自然資本の可視化・分析をより高精度化〜
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2026.03.26プレスリリースバイオームが日本自然保護協会と連携協定を締結
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