シミというジミな昆虫

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シミというジミな昆虫

2020-03-27T16:16:48+09:00 2020年3月27日|Categories: ALL 生物|Tags: , |
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シミは、体が小さく、平べったいため、小さな隙間でも入ることができ、動きも早くて、暗いところを好む性質を持っているため、身近にいるわりには出会うことが少ない昆虫かもしれません。多くの人にとって存在感の薄い昆虫かもしれませんが、羽を持たない、また、無変態であるなど原始的な特徴を残す個性的な昆虫です。

シミとは?

シミは、昆虫鋼シミ目の昆虫の総称です。世界では、約550種が知られています。体を魚のようにくねらせながら移動し、紙を食べることから、日本では、紙魚(シミ)という漢字が当てられています。英語では、よく見られるものが銀色の体をしていることと、やはり魚の様に動くことから、Silver fishという名前がつけられています。多くの種が体長2cm以下ですが、石炭紀の化石からは6cmに達する種も見つかっています。シミの仲間は、家屋の中で生きる種が多く知られており、日本では、セイヨウシミ、ヤマトシミ、セスジシミ、マダラシミなど家の中でも複数種が見られます。

原始的な昆虫、シミ

シミ

セスジシミ

シミは、3億年前から地球に存在しており、原始的な特徴を残した昆虫と言われています。現在存在する昆虫のほとんどは、羽を持っていますが、シミは、羽を持っていません。これは、昆虫が羽を獲得する前の姿をシミが残しているためだと考えられています。また、昆虫のほとんどが、チョウ、ハチ、ハエなどの様に、幼虫から蛹を経て成虫になる完全変態、もしくは、バッタ、ゴキブリの様に、蛹になることなく幼虫から成虫になる不完全変態をします。完全変態の昆虫は、幼虫と成虫の形態の違いが大きく、不完全変態の昆虫は、幼虫と成虫の形態が似ていることが多いです。一方、シミは、無変態の昆虫であり、これも原始的な特徴であると考えられています。無変態の昆虫は、シミとイシノミの仲間しか知られていません。完全変態、不完全変態の昆虫は、最後の脱皮後の形態が成虫であり、成虫になるまでは交尾、産卵を行いません。しかし、無変態の昆虫は、生殖可能になった後も、体が大きくなり続けるため、一生脱皮を繰り返します。卵から生まれた時から、ずっと同じ形態をしており、脱皮の前と後でほとんど形態は変わりません。

シミの生態

日本在来種と考えられているヤマトシミは、7月下旬頃に、畳や紙の隙間などに直径1mmほどの卵を生みます。約25日後に孵化し、25-30℃の環境下では、孵化後17-20日で3回ほどのペースで脱皮をし、3回目の脱皮後、体の表面に鱗粉が付いた姿になります。高温多湿の環境では活発に活動し、気温が7℃を下回ると、摂食をほとんどしなくなります。ヨーロッパ原産であり日本でもよく見られるセイヨウシミでは、生殖可能になるのに最速でも4ヶ月必要であり、環境条件が悪いと3年かかることもあるという報告があります。シミの仲間の寿命は昆虫としては長く、7-8年生きます。絶食には強いですが、水分は必要なため、家の中では、トイレや台所付近など、水があるところでよく見られます。また、光に対して負の走性があり、暗い場所に潜んでいることが多いです。野外に生息する種では、樹皮の間や落ち葉の下で見られたり、アリの巣に住んでいるものもいます。

シミは何を食べているの?

シミは、漢字で紙魚と書くほど、紙を食べることで知られていますが、紙しか食べないというわけではありません。ヨーロッパ原産で、世界中に広がっているセイヨウシミは、カーペット、服、コーヒー、砂糖、パンやクッキーのくず、髪の毛、昆虫の死骸、絹、接着剤、人工繊維など、非常に幅広く様々なものを食べることが知られています。シミは、紙の表面を薄く広く食べるため、シミに食べられた紙には、薄くなった部分が見られます。シバンムシも紙を食べますが、シバンムシには、薄く表面を食べる習性はないため簡単に見分けが付きます。

パンくずを食べるセスジシミ

パンくずを食べるセスジシミ

家で捕獲したセスジシミに、ティッシュとパンくずを与えてみたところ、パンくずを食べました。