この虫、ご存知ですか?なんとなくハチの仲間と思っている方もおられるかもしれませんが、実は違います。シリアゲムシという昆虫です。結構身近に居るものの知名度が低いシリアゲムシをご紹介します。
シリアゲムシって?
シリアゲムシはシリアゲムシ目に含まれる昆虫を指します。ちなみに、ハチはハチ目、ハエはハエ目、チョウはチョウ目と言った具合なので、皆さんの馴染みのある昆虫からは独立したグループであることが分かってもらえると思います。
系統的位置
実は、シリアゲムシ目の姉妹グループはノミ目です。シリアゲムシの仲間のうち、寄生生活をするようになったグループがノミ目であり、ノミ目はシリアゲムシ目に含めるのが妥当であるという研究報告もあります(Whiting 2002)。
何を食べる?
基本的には肉食性で昆虫を狩って食べますが、果実を食べることもあります。かなり独特の口器を持っており、細長い口の先端に小さな顎を持っています。液状のものでなければ、かじって食べるものと思われます。
毒あるの?
オスは、かなりヤバそうな尻尾を持っており、英語ではスコーピオンフライ(サソリバエ)と呼ばれていますが、実は毒は無く、刺されることもありません。至って安全な生き物です。なお、メスは尻尾の部分がそっくり返っておらず、まっすぐしています。
オスはメスにプレゼントをする!
シリアゲムシの仲間の多くは、交尾の際にオスがメスにプレゼントとなるエサを与えることが知られています。よく見かけるヤマトシリアゲもその一つで、メスにエサをプレゼントして、メスがそれを食べている間に交尾をすることがあります。
参考文献:
Whiting, M. F. (2002). Mecoptera is paraphyletic: multiple genes and phylogeny of Mecoptera and Siphonaptera. —Zoologica Scripta, 31, 93–104.