人の居を借る蜘蛛、アダンソンハエトリ

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人の居を借る蜘蛛、アダンソンハエトリ

2021-10-31T21:58:23+09:00 2021年10月31日|Categories: ALL 生物|Tags: , |
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家の中にいるクモ、黒い体に白い模様が目立つクモなら、アダンソンハエトリというちょっと変わった名前のクモかもしれません。今回は、小さな同居人のお話です。

アダンソンハエトリとは?

アダンソンハエトリのオス

ハエを捕食中のアダンソンハエトリ

ハエトリグモ科オビジロハエトリグモ属のクモです。体長は、5-9ミリほどで、メスの方が1-2ミリほど大きいです。人家の屋内で暮らし、徘徊してコバエや蚊、ゴキブリの子など小さな昆虫を見つけると飛びかかかって仕留めます。造網性のクモとは異なり、クモの巣と呼ばれるものは作らず、狩りに網は使用しません。しかし、クモの糸を出すことはできます。高所から落ちたときには、その糸にぶら下がります。また、体の倍ほどの大きさの袋状の巣を作り、その中に潜むことがあります。
昼間に活動し、あまり人を警戒することなく壁や机の上を歩き回るので、目にする機会が多いクモといえます。

分布域が北上?

アダンソンハエトリのオス

アダンソンハエトリのオス

アダンソンハエトリは世界的に、温暖な地域を中心に広く分布しています。人為的に持ち込まれ、広がったと考えられる地域が多くありますが、詳しいことはよくわかっていません。日本では主に室内で見られますが、熱帯地域では屋外でもみられ、自然分布域は暖かい地域ではないかと考えられています。
日本での分布域は、これまで本州中部以南と考えられていました。しかし、近年、分布が北上し、同じく室内で徘徊するミスジハエトリと入れ替わっていることが指摘されています。

アダンソンハエトリの名前の由来

アダンソンハエトリという名前は、命名者であるビクトル・オードワンというフランスの昆虫・鳥類学者によって、貝類や植物分類の研究を行っていたフランス人の博物学者であるミシェル・アダンソンに献名されたものです。献名は、記載した種を採集した人に行うこともありますが、命名者に恩義のある人、命名者が尊敬する人などに対しても行われることもあります。ミシェル・アダンソン自身とアダンソンハエトリに深いゆかりがあるわけではないのかもしれません。

見分けやすいオスとメス

アダンソンハエトリのメス

アダンソンハエトリのメス

アダンソンハエトリのオスとメスはとても見分けがつきやすく、オスは黒い体に白い模様が目立ちますが、メスは茶色で模様もあまり目立ちません。茶色のメスの周りを、黒いオスがちょこちょこと動き回る様子が見られることがあります。おそらく求愛行動だと思われます。

アダンソンハエトリの雌雄

アダンソンハエトリのメスを追いかけるオス