虫たちの冬ごもり

2021年11月30日 ALL生物

前回に引き続き、生き物たちの冬の過ごし方についてのお話です。前回は、昆虫が無事に越冬するためには天敵から身を隠すことが大事だということをお話しましたが、具体的にどのような場所にどのような形態で昆虫が潜んでいるのかについて今回はお話したいと思います。

地中や植物に潜って身を隠す

地中や植物の中は、鳥や哺乳動物の探索の目から逃れるのに格好の場所です。そこでの越冬形態は昆虫によって様々です。例えば、多くのバッタの仲間は土の中で卵の形で越冬します。アブラゼミやクマゼミのメスは木に産卵管を突き刺して卵を産み付け、卵はそのまま越冬します。土の中で蛹で越冬する種もあります。多くのスズメガの仲間がそうです。成虫のまま地中や落ち葉の下で冬を過ごす昆虫も実は少なくありません。オケラやオサムシなどは成虫のまま地面に潜り、暖かくなるまで動かなくなります。

バリアを作って枯れ枝に付着する

オオミノガ

ミノガの幼虫であるミノムシは、糸で枯れ葉や枝をくっつけた頑丈な蓑の中に入って、蛹の状態で越冬します。ミノガは、オスは幼虫の期間も、メスはそれに加えて成虫の期間も蓑の中で暮らすので、越冬のためだけに蓑を作るわけではありませんが、切れにくい強い糸で作られた蓑は外から壊しにくく冬眠中にも重要な役割を果たします。よく枯れ枝や枯れ草で見られるカマキリの卵も、あの焼きメレンゲのような卵鞘のおかげで天敵に食べられにくいものと考えられます。

木の洞や人家の隅などに集まって動きを止める

ナミテントウ
テントウムシの仲間やカメムシの仲間は、成虫の状態で物の隙間に入って集団で越冬する習性があります。木の洞のような壊されにくいものの隙間に入り込むことで、鳥などの天敵からの攻撃を免れます。集合する理由についてはあまりわかっておりません。

保護色によって見つかりにくくする

モンシロチョウの蛹

モンシロチョウの蛹

モンシロチョウは蛹の状態で越冬します。モンシロチョウの蛹は、蛹を作った場所の色に応じて緑色か茶色になります。暗い色のところで蛹化したものは、茶色っぽくなります。蛹の状態で動かず茶色の枝にくっついていれば、視覚で昆虫を探す天敵には、見つかりにくいと考えられます。成虫で越冬するチョウの中には、翅を閉じれば枯れ葉のように見えるキタテハやルリタテハ、テングチョウなどがいます。これも、視覚的に餌を探す動物から身を隠す工夫であると考えられます。