さいた さいた

2024年4月16日 生物

一気に花を咲かせ始めたチューリップは、春の短い時期にだけ見られる人気の花です。馴染の深い植物ですが、綺麗であるということ以外はあまり良く知らないのではないでしょうか。

チューリップとは?

チューリップの花畑

チューリップ Photo by 純ちゃん(つぶつぶ)

チューリップはユリ科チューリップ属の植物の総称です。日本では特に Tulipa gesneriana(トゥリパ・ゲスネリアナ) とその園芸種が良く栽培されます。和名は鬱金香(ウッコンコウ)で、花がウコンのような匂いがすることが由来です。原産地はトルコから中央アジアであると考えられています。野生では、冬は湿潤で夏は乾燥した環境に生育します。

Tulipa pulchella

チューリップ属の一種 Tulipa pulchella Photo by abdullah ünlü, CC BY-SA 3.0

日本には、江戸時代末期の1863年にフランスから球根が持ち込まれたと言われています。チューリップは基本的に球根で出回っています。種子から育てた場合、花を咲かせるまでに5年以上栽培し続ける必要があるというのが理由の一つです。

チューリップの構造

チューリップ

チューリップは、色のついた部分すべてが花びらではありません。実は、外側の三枚は萼で内側の3枚のみが花びらです。自宅で育てたチューリップの花をよく見てみると、三枚の萼(外側)は先端が凸状になっているのに対し、三枚の花びら(内側)は凹んでいました。異なる部位であるためか全く同じ形状ではないようです。萼の美しさを楽しむ植物としてはアジサイが有名ですが、チューリップの花もまた半分は萼です。

チューリップで土地が買える – チューリップ・バブル

チューリップと言えばオランダが有名です。そのオランダのチューリップはオスマン帝国から1630年代に持ち込まれたのが始まりです。オランダに持ち込まれて間もない頃、チューリップの価格は高騰し、1637年に急激に下落しました。その期間はチューリップ・バブルと呼ばれます。最も加熱した1637年には、球根1個に対して5ヘクタールの土地と交換されることがあったようです。これは記録に残された最も古い投機バブルとも言われています。チューリップ・バブルが起こった時代には、オランダだけでなくフランスなどのヨーロッパの他の地域でもチューリップは人気が出たため、この時代に品種改良が進みました。