カカオってどんな植物?
カカオは日本ではチョコレートの原料として馴染深い植物です。しかし、国内では沖縄、小笠原諸島以外では栽培することができず、生えているものを見る機会は少ない植物です。
この記事の目次
カカオとは?
カカオ Theobroma cacao は、アオイ目アオイ科カカオ属の常緑樹です。オクラやフヨウ、ドリアンなどもアオイ科の植物です。カカオ属の種は少なくとも20種類以上が知られています。カカオ属の中には、カカオ以外にも果実が食用になる種があります。原産地は中央アメリカから南アメリカです。カカオは紀元前1900年頃から栽培されていたと考えられています。栽培には湿潤で暖かい気候を必要とします。2012年現在のカカオ豆の生産量は年間約500万トンで、コートジボワール (33%)、インドネシア (19%)、ガーナ (18%)、ナイジェリア (8%)、カメルーン (5%)、ブラジル (5%) です。カカオといえばアフリカのイメージが強いですが、生産量2位に東南アジアのインドネシアが入っています。
カカオの実
カカオは発芽から4年ほどで花が咲き、開花から6ヶ月後に果実ができます。
果実は、主幹や枝などにボコボコ実ります。
果皮の色は、品種によってことなり、赤や黄や緑のものがあります。
15cmから30cmほどの大きさの一つの果実の中には、20から60個ほどの種子が入っており、種子は白い果肉に包まれています。
果肉には、ほんのり甘みがありましたが、香りはあまりしませんでした。
種子は果肉ごとしばらくおいて発酵させ、発酵後乾燥させます。
これがカカオ豆と呼ばれるチョコレートの原料です。
一緒にいろいろ植えるカカオの栽培
一般的なプランテーションは、単一の作物のみを広大な面積で栽培しますが、カカオは陰樹であることからそのような栽培方法は向きません。
陰樹は、他の木によって日光が遮られるような薄暗い環境で生育することができます。その一方で、若木のときに日が当たりすぎる環境は生育には適しません。そのため、カカオを栽培する際は、他の樹種を一緒に植えることで日除けを作ります。カカオと一緒に栽培される植物には、アブラヤシやバナナ、プランテイン(地域によっては主食とするバナナの一種)などがあります。