個性豊かな冬芽
2025年1月14日
生物
冬は多くの生き物の活動が休止し、野外に出ても生き物に出会うことが少なくなりますが、樹木の冬芽は冬でも観察できます。冬芽は近づいてよく見てみると個性的な色や形をしています。
冬芽とは?
冬芽は翌春に芽吹く花や葉の芽です。適切なタイミングで花を咲かせたり葉を出したりするために、植物は春までに芽を作り準備をします。新しい葉や花が詰まった芽は、昆虫や鳥などの餌となります。また、冬芽は冬の凍結や乾燥に晒されます。そのため、多くの植物の冬芽は芽鱗と呼ばれる皮に包まれています。芽鱗は硬いうろこ状であったり、フサフサした毛が生えていたりとバリエーション豊かです。
芽鱗が美しいアラカシの冬芽
アラカシの冬芽は、何枚もの芽鱗で包まれて硬く、昆虫などにかじられにくそうな作りになっています。アラカシの冬芽は芽鱗の重なりが美しい模様を作ります。赤っぽい色がついたものや緑のものがあります。
モフモフのモクレンの冬芽
モクレンの冬芽は、特に花芽のものが大きく目立ちます。まるで哺乳動物のような密な毛が生えていて、思わず撫でてみたくなります。
枝の翼が目立つニシキギ
ニシキギの枝には年中翼がついていますが、冬の葉がなくなった時期にはよく目立ちます。翼と翼の間に鱗芽ができます。
赤い色が目立つ冬芽
芽鱗が赤いものは、たくさんあります。
ドウダンツツジの冬芽は、赤い紅葉が終わった後、今度は枝先の鮮やかな赤い冬芽が目立ちます。
葉の基部が赤いモッコクは、その根本にある冬芽も真っ赤です。
白い花を咲かせるウメの花も、冬芽は赤いです。枝が緑色なので、赤い丸い冬芽がよく目立ちます。
対生のイロハモミジは、冬芽もまた対生です。
冬の生き物観察に、個性が色々な冬芽、いかがでしょうか。