ナメクジの穴
2025年4月30日
生物

ナメクジを観察していると穴が!!What’s this!?
ナメクジ穴は、呼吸孔
ナメクジに空いている大きな穴は、呼吸孔といわれる呼吸をするための穴です。この穴は、ナメクジの肺につながっています。肺の周りの筋肉を使って、ガスの出し入れを行います。刺激が与えられたり、水がかかったりすると穴は、瞬時に閉じます。
全く異なる昆虫とナメクジの呼吸

チャコウラナメクジ
ナメクジも昆虫も同じように小さな生き物ですが、ナメクジは肺を持っていて、外部とのガス交換は肺の内膜で行われます。肺の内膜で取り込まれた酸素は、血液によって体中に運ばれます。一方で、昆虫は肺を持たず、気管から各組織に直接酸素が運ばれます。

体の側面に気門が並ぶキイロモモブトハバチ
昆虫が外部から空気を取り込む穴は気門と呼ばれ、通常からだの側面に複数個あります。
哺乳動物の肺とナメクジの肺は相似器官
ナメクジには肺があって昆虫にはそれがないと聞くと、肺を持っている方が同じく肺を持っているヒトと進化的に近いのではないかと思われるかもしれません。しかし、ナメクジの肺はヒトなどの脊索動物が持っている肺とは機能が同じでも構造や発生起源が異なり、進化的な起源も全く異なります。つまり、ヒトの肺とナメクジの肺は相似器官であってそれぞれ別々に獲得したものです。
なんで右側だけ?
多くの動物は臓器が左右対称にあることが多いですが、ナメクジは呼吸孔だけでなく、排泄孔、生殖器なども右側に偏っています。このことはナメクジが巻き貝から進化した生物であることに由来します。ナメクジは巻き貝のような殻は失いましたが、内蔵の構造の特徴はまだ残しているということです。