2025年6月30日

すげぇ悪そうなテントウムシ

かなり大きなテントウムシを見つけました。ハラグロオオテントウです。悪代官か何かのような名前ですが、どんなテントウムシなのでしょう。

ハラグロオオテントウとは?

ハラグロオオテントウ

ハラグロオオテントウ Callicaria superbaは、コウチュウ目テントウムシ科の昆虫です。オオテントウと名のつく通り、大きさは1cmを超え、よく見かけるナミテントウやナナホシテントウよりだいぶ大きいです。カメノコテントウと並んで、日本で最大級のテントウムシです。国外では、中国、台湾、チベット、インドで知られ、国内では、本州から九州に分布します。もともと暖地性のテントウムシで、西日本でよく発見されていましたが、近年関東でも観察例が報告されており、日本で分布域が北上しているといわれています。

ハラグロオオテントウの生態

成虫は5月から6月頃によくみられます。成虫で越冬し、年一化です。

成虫、幼虫ともにクワにつくクワキジラミを捕食します。クワキジラミは大群でクワの枝や葉に取り付き、師管液を吸います。クワはカイコの餌として重要な植物です。クワキジラミが発生しすると、クワの葉は縮れてしまい、カイコの餌としての質が落ちます。そのため、クワキジラミを捕食するハラグロオオテントウは、養蚕において役に立つ存在です。

名前通りの黒い腹

ハラグロオオテントウ
ハラグロオオテントウの腹面

ハラグロオオテントウ名前の通り腹が黒いです。しかし、ナミテントウやナナホシテントウなど、テントウムシには腹面が黒いものが少なくなく、ハラグロオオテントウの腹がテントウムシ科の中で特別黒いというわけではありません。