よどがわ調査隊2024 ー外来水草と水辺のいきものを探せ!ー 結果発表!

2025年1月30日 イベント

いきものコレクションアプリ「Biome(バイオーム)」では、株式会社建設技術研究所と連携したクエスト「よどがわ調査隊2024 ー外来水草と水辺のいきものを探せ!ー」を配信いたしました。2024年7月15日(月)〜9月15日(日)の配信期間中、淀川流域で見られるのいきものを10種類撮影・投稿すればクエスト達成となり、特に生育場所の把握が急がれる8種の外来水草については別途投稿の呼びかけを強化するなどのキャンペーンを実施しました。

よどがわ調査隊2024 クエストについて

淀川は滋賀県、京都府および大阪府を流れる淀川水系の本流の一級河川であり、そこには多様で貴重な生態系が存在します。

しかし、近年は外来生物が大繁殖し生態系への被害が各所で懸念されています。

このままだと淀川の多様な生態系が崩壊し、希少ないきものや在来種がどんどんいなくなってしまうかもしれません。

関西を代表する大型河川 淀川(写真提供:photoAC)

 

そこで、Biomeは株式会社建設技術研究所とタッグを組み、今回で通算4度目となる淀川外来種調査クエストを実施しました。

今回は外来水草だけでなく、淀川に生息するすべてのいきものを対象に調査を実施しました。

 

配信期間
2024年7月15日(月)〜9月15日(日)

対象エリア
淀川流域周辺

ルール
淀川流域のいきものを10種類撮影・投稿すればクエスト達成!

 

クエスト結果

今回の調査の結果を取りまとめた資料は下の通りです。

詳しく見る(PDF)

2カ月間という短い期間でしたが、505人の参加者のみなさまにより、1,221件もの投稿が寄せられました。

淀川河川敷でよく見られる植物や、希少な鳥類、問題となっている外来魚など、様々ないきものが見つかり、流域全体の自然を知る貴重な手がかりとなりました。

地図上のプロットは投稿があった場所を示しており、それぞれの色は種名や分類を示します。

淀川流域全体投稿マップ

また、特に生育場所の把握が急がれる8種の外来水草については、合計46件もの投稿がありました。

特に生育場所の把握が急がれる8種の外来水草

 

外来水草はワンド(湾処、わんど)と呼ばれる「川の本流と繋がりつつも河川構造物などに囲まれて池のようになっている地形」でよく見られます。

流れがゆるく安定しているため、様々な水生生物が繁殖する貴重な住み家になっておりますが、外来水草の大繁殖の最前線になってしまっている場所でもあります。

ワンド

淀川に点在するワンド(Photo by e97h0017, CC BY-SA 3.0 <http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/>, via Wikimedia Commons)

城北ワンド

城北公園の近くにある、広域なワンド群です。今回の調査で、最も多数の外来水草が発見されました。

明治時代、京都まで蒸気船が通行できるように施された工事の際に誕生した、歴史の長いワンドです。周辺にはヨシが生育し、水が濾過されて入るので本流よりも水質は良好で、かつて絶滅危惧種の魚類「イタセンパラ」の生息地でもありました。

城北ワンド投稿マップ

鳥飼ワンド

鳥飼ワンドは鳥飼大橋の下流側に広がります。ここではナガエツルノゲイトウやオオバナミズキンバイが発見されました。

鳥飼ワンド投稿マップ

庭窪ワンド

大阪府守口市の庭窪浄水場の近くにあるワンド群です。近くにはテニスコートや野球場、駐車場も完備されており、スポーツや外遊びついでにいきもの探しができます。

他のワンドでは発見されなかったホテイアオイが多く見られました。

庭窪ワンド投稿マップ

 

唐崎ワンド周辺

芥川と淀川の合流地周辺にあるのが唐崎ワンドです。豊かな生態系を育むため、比較的最近整備されたワンドですが、ここにも外来水草が進出しています。

ミズヒマワリやナガエツルノゲイトウが発見されました。

唐崎ワンド周辺投稿マップ

 

収集されたデータは、建設技術研究所の環境調査における外来水草の効果的な除去手法の検討・開発に活用されます。

ご協力いただいたみなさま、誠にありがとうございました!

 

クエストが終了した今も、外来水草は日々繁殖し続けています。

淀川の豊かな生態系を守るため、引き続きたくさんの投稿をよろしくお願いいたします!