問題。ヤギはウシの仲間でしょうか、シカの仲間でしょうか?
ヤギは体系がほっそりしていて、どっしりしたウシよりもどちらかというとシカに似ているような気がしますが、ウシの仲間です。今回は、意外とバリエーション豊富なウシ科の動物と、シカ科の動物の比較をしてみたいと思います。これできっと、ややこしいウシ科とシカ科の動物を見分けられるようになります。
クジラ偶蹄目(旧偶蹄目)にはどんな動物が含まれるのか。
クジラ偶蹄目は、クジラの仲間を除くとイノシシ科、ペッカリー科、カバ科、ラクダ科、ジャコウジカ科、マメジカ科、プロングホーン科、キリン科、シカ科、ウシ科の10科に分かれます。今回着目しているシカ科には45種、ウシ科には140種が含まれます。
ウシ科とシカ科の分布域
ウシ科の動物は、北アメリカ、ユーラシアでも見られますが、アフリカで最も多様な種が見られます。草原、砂漠、低木林、森林など多様な環境に住んでいます。
シカ科の動物は、アメリカ北西部、ユーラシア、アメリカに分布します。多くの種は、森林を好みますが、ツンドラや草原にも生息している種がいます。
ウシ科とシカ科の体格
ウシ科は、ずんぐりと巨大で1トンを超えるようなスイギュウから、すらっとして3〜7kgほどの大きさしかないディクディクまで、様々な大きさと体型の種がいます。
シカ科も最大で700kgになるヘラジカから、15kgほどにしかならないプーズーまで大きさは様々ですが、体型はウシ科ほど幅広くなく、みんなシカっぽい雰囲気がします。
枝のないウシ科の角と枝があるシカ科の角
ウシ科とシカ科を見分けるには、角を見るのが最も簡単です。ウシ科の角は枝分かれをしませんが、シカ科のほとんどの種の角は枝分かれをします。そのため、角をみればウシ科かシカ科かがたいていはすぐに分かるはずです。(ただし、1歳のニホンジカの角は枝分かれをしません。)
ウシ科の角は、頭蓋骨から出た骨質の突起(角芯)をケラチン質の角鞘(かくしょう)と呼ばれる鞘(さや)が覆っています。角鞘は成長とともに伸び続け、基本的にはシカのように生え変わることはありません。しかし、なにかの衝撃で角鞘の部分だけが、ポロッととれたりかけたりすることはあります。角鞘が取れてしまっても角鞘が下から伸び続けるため、いずれまた復活します。また、シカと違いほとんどの種がオスもメスも角を持っているのも大きな特徴です。
一方、シカの角は、頭蓋骨の台座の上に頭蓋骨とは独立に骨質の角が伸びます。角は枝分かれをし、一年に一度生え変わります。
また、トナカイ以外のシカはオスだけが角を持っています(参照:https://biome.co.jp/wpbiome_blog_147/)。ちなみに、シカの角の成長は1日に2cm伸びる種もあり、その速度は動物界の組織成長速度で最も早いそうです。