2026年1月26日

干し柿を食べた犯人は?

奈良の私の祖母の家には渋柿が生えており、毎冬干し柿を作っています。以前は軒先に吊るすだけで問題なく干し柿を作ることができたのですが、ここ数年、何者かに相当量を盗まれる被害に遭ってます。

何者かに盗まれる干し柿

毎年150個ほど作っていた干し柿が、数年前に8割以上食べられる被害に会い、それ以降ネットをかけるようにしました。しかし、それでも全滅に近い被害に遭い、去年あたりからは干物用の干し網まで食い破ってカキを盗む者が現れました。

今年は、ネットを二重にし完全防備したつもりでした。流石にもう食べようがないだろうと思っていましたが、それでも下の方のカキが食べられてしまいました。

カメラに写った犯人は

犯人はアライグマでした。撮影された時間は、22時50分から23時30分頃までで、住人が寝静まった後でした。2匹のアライグマがやってきて、干し柿の網に手を伸ばしているところが撮影されました。

アライグマに食べられたカキの様子

干し柿を覆っていた防獣ネットにはカキをすりつぶしたような跡がついており、防獣ネット内に入ることなく、おそらく外側から手を入れてカキを口元に運んだものと思われます。撮影された映像からも、外から中に手を伸ばしている様子が確認されます。

防獣ネットを手で手繰り寄せて中の様子を伺うアライグマ

タヌキやキツネの前足は、イヌと同様に物を掴むことはできません。一方、アライグマの前足は非常に器用に動き、物を掴むことができます。

アライグマの前足 Photo by Gaby Müller, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

そのため、口吻が入らないような細かい網目の防獣ネットでも、手で中のカキを引き寄せて食べることができます。

以前、ハクビシンがトマトを食べる様子についても観察しましたが、ハクビシンの食べた後はかじりかけのトマトがたくさん落ちていて、手当たり次第口に入れてみて美味しいものを選り好みしながら食べたと推認されました。一方で、今回のアライグマが食べた跡はヘタを残して一切食べ残しがありませんでした。熟れているものと熟れていないものが混ざっていたトマトに対し、干し柿は全て甘くなっていたため、選り好みする必要がなかったのかもしれませんし、両種で食べ方が違うのかもしれません。

ヘタだけがきれいに残された干し柿:アライグマが食べた跡と考えられる。
現場に残されたアライグマのものと考えられる糞

鳥はどう?

網に手を伸ばすアライグマ

かなり昔から、干し柿が食べられる被害は多少はありました。ただ、大抵は吊るしている上部の干し柿がいくつか食べられることが多く、これほどまでに大規模な被害に遭うことはありませんでした。ヒヨドリやイソヒヨドリの姿を付近で目にすることが多く、おそらくこういった鳥が食べていたのだろうと思います。

ヒヨドリ
ヒヨドリ

しかし、数年前から鳥用に上から被せたネットでは、ほとんど効果がなく壊滅的な被害を受けるようになりました。たった一晩のうちに、何十個も無くなったこともありました。おそらく、昼間の鳥に加えてアライグマが食べにくるようになったのだと思われます。

鳥は体サイズが小さく、飛ぶ必要もあるため、一気に大量に食べることはできません。一方、アライグマなどの哺乳動物は、体サイズが大きく、飛ぶ必要もないため体重の増加を気にすることなく一気に大量に食べることができます。それに加えて、アライグマの手の器用さと、干物用の干し網を食い破るほどの力により、こちらの努力もむなしく壊滅的な被害をもたらしたものと考えられます。

アライグマに食い破られたと思われる干し網:破られたので縫ってます。

今回、犯人が空からではなく地面からやってくることが判明したので、来年は、地面からのアクセスを防ぐ手立てを考えるのが良さそうです。これまでこの地域ではアライグマはみられませんでした。一方で、柿が好物であるタヌキやイタチは以前から生息していましたがこれほど大量に干し柿が食べられてしまうことはありませんでした。これまで生息しなかった生物の被害に対処するためには、今までの方法では通用しない場合があることを実感させられる一件でした。