スギ、ヒノキ(の花粉)に最も注目が集まる季節がやってきました。
これから2回に渡って、スギ、ヒノキについてお話したいと思います。
今回の記事は、スギ、ヒノキとはどんな植物なのかについて、次回に記事は、花粉症についてです。
スギとは?
ヒノキ科スギ亜科スギ属の常緑針葉樹です。スギ属の植物はスギのみです。日本固有種であり、本州の北端から屋久島まで分布します。北海道には、植林されたものが存在します。
ヒノキ科スギ亜科の植物は、中生代の地層から化石が見つかっており、古くから地球に存在する植物です。スギは、非常に寿命が長く、屋久島の縄文杉が2000-7200年ほど生きていると推定されています。
ヒノキとは?
ヒノキ科ヒノキ属の常緑針葉樹です。ヒノキは、日本の本州中部から九州までと台湾に分布します。他にヒノキ属の植物は、アメリカに自生しています。ヒノキも寿命が長く、日本のヒノキの最高齢は、木曽にある450年だと考えられています。台湾には2000年のものがあると言われています。
スギ・ヒノキはどうやって見分けるの?
どちらも針葉樹であり、遠くから見た木の形状からスギかヒノキを判断するには、ちょっと見慣れる必要があるかもしれませんが、近くで葉を見れば一目瞭然です。
スギは、握ると痛いほど葉が鋭いトゲのようになっています。
一方ヒノキの葉は柔らかく、トゲ状にはなっていません。また、葉の裏の白い模様がY字に見えるのが、他のヒノキ科の植物と見分ける際の特徴です。
スギ、ヒノキの分布
林野庁によると、スギの人工林は、沖縄以外の日本全国に散らばって分布しています。一方、ヒノキの人工林は、北海道、沖縄、東北や日本海側の一部の都道府県にはなく、西日本を中心に分布しています。
木材としてのスギとヒノキの違い
スギは、ヒノキより栄養豊富な水分の多い土地を好むため、植林する際は、ヒノキより下部の谷筋に植えられることが多いです。成長速度は、ヒノキより早く、30-40年で木材として使うことができるようになります。
ヒノキは、スギと比較すると乾燥した土地を好むので、スギより傾斜の上部に植えられることが多いです。成長は、スギより遅く、材木として使えるようになるまで50-60年かかります。曲げ、圧縮、引張りの強度は、スギよりヒノキのほうが高く、圧縮強度は、伐採後200年は上がっていき、その後1000年をかけて伐採時の強度に戻っていくと言われています。このようにヒノキは、生産に必要な年数が長いことと、耐久性に優れていることなどから、スギよりも高価な木材として取引されることが多いです。寺院や神社の建造、奈良時代以降の仏像には、ヒノキが多く使われています。