
アカトンボが飛んでいるのを見て、秋を感じる季節が近づいてきました。小さい頃住んでいた田舎では、秋頃になると突如アカトンボが群を成して現れ、よく私は網を振り回してアカトンボをたくさん捕って遊んでいました。今回は、そんな身近な秋のいきもの、アカトンボのちょっぴりへぇ〜となるお話です。
アカトンボとは?
トンボ科アカネ属の属するトンボを総称してアカトンボと呼ぶことが多いですが、アカネ属以外の赤いトンボや、秋に群れになって飛ぶ黄色っぽい色のウスバキトンボ(ウスバキトンボ属)がアカトンボと呼ばれることもあります。アカネ属のトンボは、日本では21種が知られていますが、ナニワトンボのように、体色の赤くないトンボもいます。
アカトンボはどうして赤いのか?

アキアカネのメス Photo by Alpsdake [CC BY-SA 3.0], via Wikimedia Commons
今まで、オスの赤い色は、婚姻色であり、成熟したオスであることのアピールとして使われていると考えられて来ました。しかし、還元型オモクローム色素(赤色の色素)を多く持つことは、日向で縄張りを守る際に受ける紫外線による酸化ストレスを軽減する効果があるのではないかという新たな仮説も出てきました。
秋に突然群れになって現れるアキアカネの謎

アキアカネのオス Photo by Kropsoq [CC BY-SA 3.0], via Wikimedia Commons
ちなみに、ナツアカネは、アキアカネのような大移動は行わず、成虫の間中平地にいるため、夏でも平地でみることができます。また、夏にだけ見られるというわけでもなく、成虫の姿でいる期間は、アキアカネと同じです。
参考文献:
Futahashi, R., Kurita, R., Mano, H., & Fukatsu, T. (2012). Redox alters yellow dragonflies into red. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 109, 12626–12631.