他人の衣を借る貝!?世にも奇妙なクマサカガイ

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他人の衣を借る貝!?世にも奇妙なクマサカガイ

2019-12-28T17:44:51+09:00 2019年12月28日|Categories: ALL 生物|Tags: , |
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誰かが、飾りとして作ったとしか思えない姿。こんな貝が本当にいるのかと、目を疑いました。その名もクマサカガイ。今回は、クマサカガイとはどのような貝で、何のためにこんな姿をしているのかについて、お話したいと思います。

この記事の目次

クマサカガイとは?

クマサカガイ Xenophora pallidula は軟体動物門腹足綱クマサカガイ科 Xenophoridae の貝です。平安末期の大盗賊、熊坂長範が七つ道具を背負っている姿に似ているということからこの和名がついたという説があります。クマサカガイ科の貝は、直径10cm、高さ6cmほどの大きなものからから直径2cm、高さ2cmほどの小さなものまで大きさは様々です。クマサカガイ科の貝は、20種ほどが知られており、日本にも、少なくとも数種のクマサカガイ科の貝が生息しています。クマサカガイ科のすべての種が貝殻や石を付着させる習性を持っており、英語では、Carrier(運搬人)shellsとよばれています。クマサカガイの仲間は、殻に付着させるのに適切な貝殻や石を探し、粘液を分泌して、自分の殻の適切な場所にそれらの貝殻や石を付着させます。世界中から、クマサカガイ科の化石が発見されており、少なくとも白亜紀の9000万年前頃からこのような習性を持っていたと考えられています。

どこにいるの?

クマサカガイ科の貝は、非常に浅い海から1400mを越す深い海に生息しています。

クマサカガイXenophora pallidulaは、水深50-200mの砂泥の海底に生息します。日本の東北以南、インド、南アフリカの太平洋域に生息します。他にも少なくとも5,6種日本に生息し、多くの種は本州中部より南の地域でみられるようです。

どうして貝殻や石を自分の殻にくっつけているの?

クマサカガイ

Photo by Wilson44691 [CC BY-SA 3.0], via Wikimedia Commons

貝殻や石を付着させることの意義については、研究者によって、大きく分けて以下の2つの仮説が立てられています。

【防衛説】

自分の殻に、たくさん貝殻をくっつけることで、捕食者に見つかりにくくしているという説です。一般的な貝を捕食している捕食者にとって、たくさんの貝殻や貝のかけら、またその他のゴミを身にまとっているクマサカガイの仲間は、一見、一匹の生きている貝に見えないだろうということです。クマサカガイの研究者の多くがこの説を支持しているようです。

また、貝を身にまとったときのクマサカガイの特徴的な動き方が、(おそらく、貝らしくないため)捕食者の注意を引きにくいようであることが、数人の研究者によって、報告されています。それに加えて、付着させた貝殻や石などが、捕食者に対する鎧のような役割を果たす可能性もあると考えられています。

【カンジキ説】

クマサカガイの仲間は、たいてい柔らかい海底の上に生息しています。クマサカガイの殻に放射状につけられた貝殻や石は、柔らかい海底で、柔らかい雪の上のカンジキのような役割を果たすことによって、クマサカガイが砂の中に埋もれて窒息するのを防いでいるという説です。Ponderが1983に提唱しました。

以上の大きく分けて2つの説がありますが、どちらの説も、検証されたわけではないため、この不思議な生き物の謎を明らかにするには、今後さらなる研究が必要です。

 

[参考文献]
Anand TP, Samuel VD, Edward JKP. Gastropod shells attached to the surface of Xenophora pallidula (Gastropoda, Prosobranchia). Phuket marine biological center special publication. 2001; 25: 363-365.

貝類図鑑
http://bigai.world.coocan.jp/pic_book/family/2572.html

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