この季節、様々な種の鳥が巣作りを行なっています。見つけたらその愛らしい仕草に引き寄せられてついつい近くで見たくなってしまいますが、そこはガマン。鳥の巣に人が近づいたり、人が巣を覗き込んだりすると、親鳥が卵や雛の世話を止めてしまうことがあるんです。卵や雛は、ほんの1時間程度親鳥が保温を止めただけで死んでしまうことも珍しくありません。
普段より人のすぐそばで繁殖するツバメのような鳥についても、少し離れたところで、下から短時間観察するにとどめて下さい。また、フラッシュを焚いて撮影をしないように気をつけて下さい。
カラスなどの大型の鳥については、巣に近づきすぎると親鳥が育児放棄する懸念があると同時に、親鳥が人に攻撃をしてくる危険もあります。興味本位で近づかないようにしてください。
アオバズクは繁殖に適当な木のウロがあれば、人里にも営巣することが知られています。人間が近くにいることに、ストレスを感じないのかと言えば、そんなことはありません。人が頻繁に近くで巣を観察すると、そのウロを翌年から使用しなくなることがあります。近年、アオバズクが営巣できるような大きなウロを持った樹木が減ってきており、それに伴ってアオバズクの個体数が減少してきています。地域によっては絶滅危惧種に指定されています。アオバズクが営巣できる場所を奪うことは、彼らの個体数の減少に拍車をかけることになります。
繁殖期間中の鳥たちは、普段に増して神経質になっており、ちょっとしたことでも大きなストレスを感じることがあります。彼らの子育てを邪魔しないように十分に注意していただくよう、お願い致します。