果物が大好きなクマ、ニホンツキノワグマ

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果物が大好きなクマ、ニホンツキノワグマ

2020-11-13T12:44:46+09:00 2020年11月11日|Categories: ALL 生物|Tags: , , |
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人気キャラクターの影響もあり、クマの食べ物といえばハチミツを想像する人が多いかもしれません。確かにハチミツはツキノワグマも大好きな食べ物ですが、森林ではそれほどたくさん手に入る食べ物ではありません。普段は一体何を食べているのでしょうか。今回は、果物が大好きなツキノワグマの食べ物についてのお話です。

ニホンツキノワグマとは?

ニホンツキノワグマ Ursus thibetanus japonicus は、アジアクロクマ Ursus thibetanus の亜種です。アジアクロクマは、西はイラン、アフガニスタンなどの中東から、南はタイ、カンボジア、ミャンマーなどの東南アジア、北はロシア東部、東は、台湾、日本までアジアに広く分布するクマです。
頭胴長は120-180センチメートル、体重は40-120kgです。オスはメスよりも大きくなり、メスは最大でも70kgほど(ロシアの個体群)です。日本に生息するニホンツキノワグマは、オスでも60-70kg、メスでは40kg前後のものが多いようです。

どんなものを食べるの?

ニホンツキノワグマは、植物食性の強い雑食と言われます。季節によって、食べるものは大きく変わります。

冬眠から覚めたところのクマが一番最初に食べるのは、新緑の柔らかい葉です。この時期の森林では、まだ果実がほとんで実らず、昆虫も多くありませんが、若葉や花でしたら見つかります。ブナは、新芽、若葉、花が食べられ、ミズナラやササは新芽が食べられているのが観察されています。樹木だけではなく、フキやスゲ、アザミといった草本類も食べます。糞は緑色で、葉っぱの匂いがします。

蟻の巣

Photo from pxfuel.com

夏の始めの頃は、若葉は硬くなって葉は食べにくくなり、果実もあまり実っておらず、植物性の食べ物は少なくなります。そのため、ツキノワグマは動物性の餌を食べることが多くなります。最も良く食べられていることが観察されるのは、アリやハチの仲間です。これらの昆虫はコロニーを形成するため、巣を見つけることができれば一度にたくさん餌を得ることが可能です。その他に、カマドウマやバッタ、ガガンボ、オサムシの仲間などの昆虫も食べているようです。他の節足動物ではサワガニが食べられていますが、魚類、両生類、爬虫類の摂食は、確認されていません。哺乳類が食べられることは、年間を通してあまりなく、狩りもめったにしないと考えられていますが、夏の始めの生後間もない子鹿を捕まえたという報告はあります。時々、シカやウサギなどの死肉を食べていると考えられます。この時期にどれほど動物性の食べ物に依存するかは、日本国内であっても、生息している地域によって大きく異なるようです。8月頃になると、液果(ミカンやカキなど水分を多く含んだ多肉化した果皮を持つ果実)が実り始め、クマが好んで食べるようになります。キイチゴやアケビ、ミヤマザクラ、ヤマブドウ、サルナシなどがよく食べられます。

クリ

DomenicBlairによるPixabayからの画像

クマにとっては、栄養価の高い食べ物を大量に摂取できる季節です。堅果(ドングリのように硬く乾いた果実)が主な餌になります。その中でもミズナラの実を多く食べることが多いようです。その他には、ブナやクリ、クルミの仲間を好んで食べます。ミズナラやブナは、数年から十数年周期で豊凶があるため、ミズナラが不作の年にはブナを、ミズナラとブナが不作の年にはクリを食べるといったように、年によって主要な餌資源が異なるようです。秋に多くの脂肪を溜め込み、冬の冬眠に備えます。

このように、ツキノワグマは季節に合わせ餌を変えますが、年間を通して植物に大きく依存しています。

[参考文献]

Hashimoto Y, Takatsuki S. Food habits of Japanese black bears : A review. Honyurui Kagaku (Mammalian Sci. 1997;37:1-19. doi:10.11238/mammalianscience.37.1