ウサギといえば、目が赤いね。いやいや、目が赤いのは白いウサギだけだよ。ここまではよくある会話かもしれません。しかし、いやいや、目が黒い白いウサギもいるよ。と続くと、ちょっとよくわからなくなってくる人もいるのではないでしょうか。
今回は、ウサギの目の色のお話です。
なぜ、赤い目の白いウサギがいるのか。
赤い目の白いウサギは、遺伝子の異常によりメラニン色素を作ることができなくなったアルビノのウサギです。メラニン色素が作れないため、体毛にも色が入っておらず白く見えます。メラニン色素を作ることができるウサギの目は、虹彩の部分にもメラニン色素が含まれ、黒や褐色になります。メラニン色素が無いと虹彩が無色半透明になるため、眼底の血管の色が透けて赤い色になります。
日本で作られた赤い目の白いウサギ
明治初期に輸入された外来種と日本の在来種から、愛玩用にアルビノのジャパニーズ・ホワイトというカイウサギが作られました。
戦時中には、肉と毛皮が取れることから軍需産業としてウサギが飼育されました。肉の需要に応えるべく、より大型で白い海外の品種とかけ合わせることでジャパニーズ・ホワイトを大型化しました。毛皮については、染色がしやすいことから重宝されました。戦後、学校での飼育が推奨されるようになり、ジャパニーズ・ホワイトが学校で飼われるようになりました。私達にとって、赤目の白いウサギが身近であるのは、戦時中の白い毛皮のウサギの需要や、学校でのウサギの飼育の推奨が関係しているようです。
目が赤く体が白いウサギには、他にヒマラヤンという品種のカイウサギがいます。
なぜ、黒い目の白いウサギがいるのか。
上述したように、赤い目の白いウサギはアルビノですが、アルビノではない白いウサギも存在します。ニホンノウサギの中で豪雪地域に住むものや、北海道に住むエゾユキウサギは、夏季は茶色ですが、積雪期に白い毛になります。
これらのウサギは冬季に体毛が白くなってもアルビノではないため、メラニン色素を作ることができ、必要なところは黒いまま、つまり目も黒いままです。これらの種は、白い雪の中で天敵に見つかりにくくするために、積極的に体毛を白くしていると考えられています。一方、アルビノのものは、本来必要であるメラニン色素を作れないという遺伝子欠損の個体であるため、メラニン色素の働きによって得られる利益(紫外線への耐性、目の適量な光の取り入れなど)を得ることができず、野生では広がりにくいと考えられます。そのため、冬季に野生で見られるほとんどの白いウサギの目は黒色であるということになります。
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