おしどり夫婦ではないおしどりがどうして仲睦まじい夫婦の象徴なのか?

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おしどり夫婦ではないおしどりがどうして仲睦まじい夫婦の象徴なのか?

2021-12-19T18:39:30+09:00 2021年12月19日|Categories: ALL 生物|Tags: , , |

オシドリは毎年ペアを変える鳥であり、実はおしどり夫婦ではないなんて言う話を聞いたことがあるかもしれません。それでは、何故おしどり夫婦と言うのでしょう?

オシドリとは?

オシドリ

オシドリ Aix galericulata は、カモ科オシドリ属の鳥で、中国、ロシア南東部、朝鮮半島、日本などの東アジアに分布します。西日本では、他の多くのカモ類と共に冬にだけ見られる地域が多いため冬鳥と思われがちですが、実は、多くの個体は国外から飛んでくるのではなく、日本国内を移動しているだけです。日本では、主に本州中部以北で繁殖し、冬期に主に西日本に移動して越冬します。このように、繁殖期と越冬期で日本国内の異なる場所で過ごす鳥を漂鳥と言います。

オシドリの生活史

オシドリのメス

オシドリのメス

オシドリは、越冬中の1月から3月につがいとなり、4〜5月頃に巣作りを行います。巣は、大木の樹洞に作ります。巣作りは主にメスだけで行い、オスはメスが卵を生むまではメスの周りにおり、他のオスが来ないように見張ります。メスが抱卵を始めるとペアを解消します。メスは30日弱抱卵し、生まれた雛は、翌日には、時に10m以上もある樹洞から飛び降りて歩いて水辺まで移動します。その後40日間ほど親について歩いた後、独立します。

オシドリの雛

オシドリの雛 Photo by Sannse, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

おしどり夫婦の由来

オシドリ

オシドリ夫婦とは、仲睦まじい夫婦のことを指しますが、オシドリがカモの中でもとりわけペアで活動するというわけでもありません。また、マガモやコガモなど他のカモ類にも、雌雄がひと目でわかり、かつよくペアで行動する種はいます。さらにオシドリがペアで行動するのもメスが卵を生むまでの期間であり、抱卵や子育てはすべてメスだけで行います。そして次の冬には、別の相手とつがいになります。生涯同じ相手とつがいを作り続ける鳥は少ないにしても、抱卵や子育てはペアで一緒にする鳥はたくさんいます。どうして抱卵や子育てすらペアで行わず、年ごとに相手を変えるオシドリが仲睦まじい夫婦の象徴になったのでしょうか。

オシドリ

「おしどり夫婦」の由来は、中国の故事「鴛鴦(エンオウ)の契り」です。鴛(エン)はオスのオシドリ、鴦(オウ)はメスのオシドリのことを指します。鴛鴦の契りの概要は以下の通りです。

中国の宋の王が、ある家来の美しい妻を奪い取り、その家来は自殺しました。それを知った妻も、夫と同じ墓に入れてほしいと遺言を残して自殺しました。ところが、王はわざと二人の墓を別々に隣り合わせに作りました。そうすると、それぞれの墓から木が生え、枝や根が絡み合うほどに成長しました。そこにオシドリのつがいが巣を作り、寄り添って鳴き続けました。

オシドリが開けた環境である水辺に生息し、かつ雌雄差の大きい鳥であるため夫婦のペアが見た目にわかりやすかったというだけでなく、木の洞を巣にし、オスはメスが卵を産み落とすまではメスのそばから離れないという習性があるがために出来た故事であると言えます。「まがも夫婦」や「こがも夫婦」ではなく、「おしどり夫婦」なのは、オシドリが樹上営巣性であることがポイントであると考えられます。