冬は特に多くの葉物野菜が美味しく食べられる季節です。食卓に並ぶ様々な野菜、実は、種(しゅ)としては同じものがたくさんあります。今回は、野菜の種についてのお話です。
この記事の目次
原種がヤセイカンラン Brassica oleraceaの野菜
ケール、カリフラワー、ブロッコリー、キャベツは、アブラナ科アブラナ属のヤセイカンランBrassica oleracea という種の変種です。つまり、種としてはすべてヤセイカンランです。ヤセイカンランは、西ヨーロッパの地中海からイギリスに分布します。海岸近くの石灰岩の崖地に自生する二年生植物です。
ケール Brassica oleracea var. acephala
原種であるヤセイカンランに近い変種でリョクヨウカンランとも言われます。江戸時代に初めてオランダから日本に渡来しましたが、その当時は観賞用の植物でした。食用として普及したのは、明治以降に導入されたものです。
キャベツ Brassica oleracea var. capitata
紀元前4世紀頃に、野菜として栽培され始め、日本では、明治の初期に初めて野菜として栽培され始めました。
ブロッコリー Brassica oleracea var. italica
イタリアで品種改良が行われました。日本には、明治初期に観賞用に渡来し、1970年代頃から食用として広まりました。
カリフラワー Brassica oleracea var. botrytis
2000年前の古代ローマでブロッコリーから分化した変種だと考えられています。15 世紀頃にイタリアやフランスで栽培され始め、日本には、明治初期に導入されました。
ハボタン Brassica oleracea var. acephala f. tricolor
野菜ではありませんが、ハボタンも原種はヤセイカンランです。園芸ブームが起きた江戸中期以降に日本で作られたと考えられ、1778年に最も古い記録があります。ケールの品種とされています。
次回は、カブの仲間についてお話します。