よく見るとかげ、あなたはだあれ?
暖かい季節は、道ばたでしばしばトカゲの仲間に出会います。多くの地域では、2種のトカゲの仲間が共存しています。西日本ではニホントカゲとニホンカナヘビ、東日本ではヒガシニホントカゲとニホンカナヘビと、それぞれの地域で2種が生息します。
ニホントカゲ・ヒガシニホントカゲとは?
ニホントカゲ Plestiodon japonicusは有鱗目トカゲ科トカゲ属の生物です。日本の本州西部以南から九州に分布します。以前は本種が日本に広く分布する種であると考えられていたのですが、近年は東日本のものはヒガシニホントカゲ Plestiodon finitimus という別種とされています。ニホントカゲもヒガシニホントカゲ(以下、両種をまとめて「ニホントカゲ類」とします)も草原や民家の庭などで見られ、特に石垣などの隙間に入り込んで隠れられるような環境を好みます。餌は昆虫やクモなどで、天敵に襲われると尾を切って逃げます。メスは、卵の世話をします。
ニホンカナヘビとは?
ニホンカナヘビ Takydromus tachydromoides は、有鱗目カナヘビ科カナヘビ属の生物です。北海道から九州に分布する日本固有種です。生息環境や食べ物はニホントカゲ類と似ており、天敵に襲われると尾を切って逃げるのも同様です。ニホントカゲ類と異なり、メスが卵の世話をすることはありません。
トカゲとカナヘビって近縁なの?
トカゲもカナヘビも爬虫綱有鱗目トカゲ亜目に属します。ただ、トカゲはトカゲ科、カナヘビはカナヘビ科に属しており科レベルで分類群は異なります。また、トカゲ亜目の中では、カナヘビ科はトカゲ科よりもヘビ亜目やイグアナ下目、オオトカゲ下目に系統的に近いです。
ちなみに、同じ有鱗目のニホンヤモリ Gekko japonicus もニホントカゲ類やニホンカナヘビに似た生物ですが、ヤモリ下目は、トカゲ科やカナヘビ科の属する分類群(Unidentata)とは系統的には大きく異なる分類群に属します。
ニホントカゲとニホンカナヘビの見分け方
まずニホントカゲ類の幼体は尻尾が青く、体に縦のストライプがあるためニホンカナヘビとはとても見分けやすいです。
ニホントカゲ類の成体は全身が茶色っぽくなるためニホンカナヘビと体色が似ますが、ニホントカゲ類にはツヤがあります。
またニホントカゲ類の尻尾の長さが体の半分ほどであるのに対し、ニホンカナヘビの尻尾は体の3分の2ほどと長いです。ニホントカゲ類はずんぐりむっくり、ニホンカナヘビはすらっとした体つきをしている傾向があります。