コウモリの 写真を撮ると ただの点

2025年2月24日 生物

上の写真にコウモリが何匹いるかって?写真はあくまでイメージです!!

コウモリの食性

ナミチスイコウモリ

ナミチスイコウモリ Photo by Uwe Schmidt, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

コウモリといえば血を吸うというイメージが強いかもしれません。しかし、世界に生息する約1000〜1400種のコウモリのなかで、動物の血を吸う種類はわずか3種しかいません。そのうち、2種は鳥の血を吸う種で、哺乳動物の血を吸うコウモリは南北アメリカの熱帯地域に生息するナミチスイコウモリ Desmodus rotundus の1種のみです。

一方で、オオコウモリ科に分類されるコウモリは主に果実を食べ、約200種ほどが知られています。また、ヘラコウモリ科の中にも主にフルーツを食べる種が知られています。その他のコウモリの多くは飛翔しながら昆虫を食べる種で、全コウモリの7割ほどを占めています。

日本に生息するコウモリ

キクガシラコウモリ

キクガシラコウモリ Photo byJYB Devot, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

日本に生息するコウモリは、オオコウモリ科、キクガシラコウモリ科、カグラコウモリ科、ヒナコウモリ科、オヒキコウモリ科に属する5科35種です。その中で日本固有種は14種です。オオコウモリ科の2種以外は、主に昆虫を食べるコウモリです。

最も身近なコウモリ、アブラコウモリ

アブラコウモリ(Photo by さたに)

アブラコウモリ Photo by さたに

我々に最も身近なコウモリはアブラコウモリ Pipistrellus abramus です。本種は日本生息するコウモリの中で唯一家屋をねぐらとする種です。そのためイエコウモリという別名を持ちます。夕暮れに市街地の河川敷でパタパタと飛んでいるのは多くの場合本種です。

日本で唯一の果実食コウモリ、オオコウモリ

クビワオオコウモリ

クビワオオコウモリ

オオコウモリ科のコウモリは、メラネシアもしくはその周辺に起源を持ち、アジア、アフリカに広がったと考えられています。現在の分布域は、ユーラシア、アフリカ、オセアニアの熱帯、亜熱帯地域で、アメリカ大陸にはオオコウモリの仲間は生息しません。コウモリの中で最大の種がオオコウモリ科に含まれ、最大種は、体重1.5kg、翼開長1.7mほどになります。

日本に生息するオオコウモリ科のコウモリは、オガサワラオオコウモリ Pteropus pselaphon とクビワオオコウモリ Pteropus dasymallus の2種のみです。クビワオオコウモリは、フィリピン、台湾、日本に生息します。日本では口永良部島以南に生息し、この口永良部島がオオコウモリ科のコウモリの分布の北限です。世界的にもオオコウモリ科のコウモリは、熱帯・亜熱帯地域にしか生息していません。オオコウモリ科のコウモリは主に果実を食べるため、年中豊富な果実を得ることができる暖かい環境が生息の条件であると考えられます。