テントウムシみたいなハムシ
春の日差しに暖められた地面で、赤い姿がよく目立つナナホシテントウが忙しそうに歩き回る季節になりました。と思ったら、テントウムシじゃありませんでした。
クロボシツツハムシとは?

クロボシツツハムシ Cryptocephalus luridipennis は、ハムシ科の体長5-6mmほどの甲虫です。体色は個体間で大きな変異があり、写真のように赤地に黒い点がついているものから、黒地に赤い点がついているものまで様々です。毒を持つテントウムシに擬態していると考えられています。ナミテントウやナナホシテントウは5-9mmほどなので、それに比べると少し小さめです。幼虫の状態で越冬し、成虫は4-7月頃にみられます。ロシア東部から東アジアにかけて分布し、国内では本州から九州で見られます。
どこでみられるの?
成虫はクヌギやクリやバラ科の植物など広葉樹の葉を食草にします。ナミテントウやナナホシテントウは、アブラムシを食べるので草本でもよく見かけますが、クロボシツツハムシは樹木の葉の上でよく見つかるようです。


今回見つけたのは、高さ1mほどに伸びた畑のラズベリーの葉の上でした。ナナホシテントウはアブラムシを探してかよく動き回っていますが、クロボシツツハムシは葉を食べるため、食草にいる限りそれほど歩き回って餌を探し回る必要がありません。そのためか歩き回ることもなく、しばらく同じ場所でじっとしていました。また、カメラを近づけても敏感に逃げることもありませんでした。
親の糞に守られる幼虫
糞を使って身を隠したり天敵を欺いたりする昆虫は多くいます。例えば、アゲハチョウの幼虫やモンクロシャチホコの成虫は、自身が鳥の糞に擬態していると考えられます。

一方、ユリクビナガハムシの幼虫やヨツモンカメノコハムシの幼虫のように自身の糞を身にまとうものもいます。

クロボシツツハムシの糞の使い方はこれらと異なります。

クロボシツツハムシを含むツツハムシ類のメスは脚を器用に使って自分の糞で卵を包み、地面に産み落とします。幼虫は卵から生まれた後も、親の糞の中に入ったまま地表の腐植を食べて生活します。
クロボシツツハムシは卵や幼虫の期間は糞に擬態、成虫になるとテントウムシに擬態して捕食のリスクを下げるのです。



