気候変動いきもの大調査(冬編)の調査報告

2021年8月12日 ALLイベント

地球温暖化が与える生き物への影響

地球上の平均気温は1880年から2012年の期間に0.85℃上昇しました(*1)。大気中の温室効果ガス(二酸化炭素やメタンなど)の濃度が上昇したことが主な原因と考えられています。

地球温暖化は生き物の暮らしに大きな影響をおよぼす可能性があります。例えば、植物の開花や鳥の渡りといった季節性のある現象は、四季の気温の変化と深い関わりがあります。地球温暖化によって冬の気温が下がりきらなかったり夏が暑すぎたりすると、生き物たちの季節性が変わってしまうと考えられます(*2)。

また、地球温暖化は生き物の分布にも変化をもたらします。例えば、気温が上昇したり積雪量が減少したりすれば、南の暖かい地域にしかいなかった生物がより北へと分布を広げるかもしれません(*3)。もともとその地域にいなかった生き物が入ってくることで生物同士の関係性が変化し、生態系の本来の姿が失われるリスクがあります。

地球温暖化にともなう生き物の変化は私たち人間の社会にも関わってきます。生物の季節性が変化すれば農作物がうまく実らなくなる、漁獲量が安定しなくなるといったことが危惧されます。また、分布の変化は新たな病害虫の出現や、害獣による被害地域の拡大を招く恐れがあります(*3)。さらに大きなスケールでは、生態系全体のバランスが崩れることで、私たちの暮らしを下支えしている自然そのものが失われてしまうことも懸念されます。こうした問題が起こらないようにするために、地球温暖化への対策を講じる必要があります。

 

気候変動いきもの大調査とは

「気候変動いきもの調査」は、いきものコレクションアプリ「Biome」を通じて市民の皆様からお寄せいただいた生き物の投稿データを分析することで、地球温暖化の生き物への影響を明らかにするプロジェクトです。

プロジェクト第一弾となる「気候変動いきもの調査 冬編」は、2020年11月28日から2021年1月31日に開催されました。調査には4,238人のみなさまにご参加いただき、のべ15,488件の投稿をお寄せいただきました!投稿データからは、冬鳥の越冬地の変化や南方系昆虫の分布北上など、地球温暖化の生き物への影響を示す結果がいくつも得られました。詳しい結果は特設サイトにてご覧いただけます。

 

気候変動いきもの大調査「夏編」スタート!!

シリーズ第二弾となる「気候変動いきもの大調査(夏編)」が2021年6月30日より開催されています。地球温暖化の影響は冬の生き物だけでなく、夏の生き物の生態にも表れているかもしれないのです。夏ということで、昆虫をはじめとする多くの生き物が対象種となっています。地球温暖化が生き物に与える影響を調べる「調査クエスト」の他、生き物の生き方をお手本に賢くエコを実践する「学ぶクエスト」も実施中です。クエスト達成で応募できる景品もありますので、ぜひご参加ください!

【引用】
(*1)IPCC第5次評価報告書より
(*2)Koike, S., Fujita, G., & Higuchi, H., (2006). Climate change and the phenology of sympatric birds, insects, and plants in Japan. Global Environmental Research, 10, 167–174.
(*3)樋口広芳, & 小池重人. (2008). 地球温暖化が動植物の生物季節や分布に与える影響. 森林科学, 52, 9-13