毎日寒い日が続き朝布団から出たくない人も多いのではないでしょうか。哺乳動物の中には、冬の間は寝て過ごすという羨ましい特技を手に入れたものがいます。冬眠は、冬に眠ると書きますが、単に眠った状態になっているわけではなりません。今回は、謎の多い冬眠についてのお話です。
冬眠とは?
冬眠期間とは、生態的には、巣内に引きこもって、巣外活動をしなくなった時から、巣から出て巣外活動を開始するまでの期間のことを指します。冬眠をする動物とは、24時間以上にわたって、体温や代謝の低下といった生理的な冬眠現象が確認された動物です。世界では、哺乳類18目のうち、7目(単孔目、有袋目、食虫目、翼手目、霊長目、齧歯目、食肉目)に属する183種、全哺乳類の5.7%が冬眠をすることが確認されています。日本では、陸生哺乳類97種中32種33%の哺乳動物が冬眠します。
冬眠は、寝たり起きたりを繰り返す。
冬眠といっても、冬の間ずっと寝続けるのは、クマだけのようです。他の冬眠を行う大半の哺乳動物は、持続的冬眠と中途覚醒を繰り返すようです。持続的冬眠は、つまり、連続的に眠っている時間ですが、その長さは、4~45日間と種によって大きくことなるようです。中途覚醒では、体温が数時間で急激に高くなり、その間に、排泄や摂食を行います。
冬眠中の生理的特徴
- 体温の低下
冬眠中の動物は、代謝を下げるため、体温の低下がみられます。ですが、どれくらい体温を下げるかは種によって大きく異なるようです。冬眠時の最低体温は、ホッキョクジリスでなんとー2.9度と氷点下に達します。一方、アナグマでは、28.4度、アメリカクロクマでは32.3度とあまり体温を低下させない種もいます。各動物は、冬眠時の再低体温までは、熱生産せずに、体温を低下させますが、外気が再低体温の温度を下回るようになると、冬眠中でも熱生産を開始します。冬眠していてもちゃんとサーモセンサーが働いているようです。
- 呼吸数の低下
数十分にわたる無呼吸の後、連続的に呼吸をするといった呼吸方法が小型哺乳類で報告されています。
- 心拍数の低下
シベリアシマリスでは400回/分あった心拍数が、10回/分以下に低下します。
- 外部からの刺激で短時間で覚醒
眠っている時と同様、接触刺激などがあるとすぐに冬眠から覚醒します。
他の冬眠する哺乳動物とは異なるクマの冬眠
クマの冬眠は、他の哺乳動物とは異なった点が多いため、長年クマの冬眠を冬眠とするかどうか議論されてきたほどです。クマが他の冬眠をする動物と異なる点は、以下の4つです。
- 中途覚醒が無く、冬眠期間中寝続ける。
- 冬眠中に出産、授乳をする。
- 体温の下降度が小さく、外部からの刺激に対して覚醒しやすい。
- 穴の中で摂食、飲水、排泄、排尿を一切しない。
しかし、呼吸数、心拍数の低下は見られ、代謝も低下するため、現在は、冬眠とすることが多いようです。
クマの冬眠は、体温を4~6度ほどだけ下げ、7ヶ月間ずっと寝続けます。クロクマ、ヒグマはこの冬眠の際に15~37%体重が減少します。消費するのは、冬までに蓄えた脂肪のみであり、80kgのクマだと16kgくらいの脂肪を一冬に使います。冬眠中、摂食、飲水をしないため、糞は直腸にためます。一方、尿は、1日100mlほど作るらしいですが、尿素やアンモニアは、膀胱壁から、吸収して再度血中に戻し、アミノ酸生産に再度利用されます。
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