でんでん知らないカタツムリの話

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でんでん知らないカタツムリの話

2019-05-31T21:37:33+09:00 2019年5月31日|Categories: ALL 生物|Tags: , , , , |
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梅雨の生き物といえば、カタツムリを最初に思いつく方が多いのではないでしょうか。可愛らしい見た目のためか、子供たちには人気の生き物です。身近な生き物ではありますが、何の仲間で、どんな暮らしをしているのかと聞かれると、意外と答えられないのではないでしょうか。今日はそんな知ってるようで知らないカタツムリのお話です。

カタツムリとは?

カタツムリは、陸生の巻き貝の通称であり、特定の分類群の生物のみを指す言葉ではありません。厳密な定義はありませんので、私達が想像するカタツムリの形をした陸貝がカタツムリと思って差し支えありません。カタツムリは貝の仲間、つまり軟体動物ですので、タコやイカなどと同じグループに入ります。軟体動物は、タコやイカが属する頭足類、アサリやカキが属する二枚貝類、ツノガイが属する掘足類、タニシやウミウシが属する腹足類など、更に細かく分かれますが、そのなかでも唯一陸上に上がることができた、腹足類にカタツムリは含まれます。祖先種が水中に生息していたときから、食べ物が植物であったこと、卵と精子が体内で受精するために、受精時に水を必要としなかったことなどが、腹足類が唯一軟体動物の中で陸上に上がれた理由ではないかと考えられています。

ちなみに、例外もありますが、カタツムリの多くの種について、殻のヘリが反り返っているか否かで、幼体と成体を見分けることができます。反り返っているものが成体、反り返っていないものが幼体です。

カタツムリ

カタツムリの成体

カタツムリ

カタツムリの幼体

カタツムリは何種くらいいるの?

カタツムリの定義が曖昧であるため、はっきりカタツムリが何種いるということは難しいですが、対象を陸貝にまで広げますと、日本に生息している種数は約800種です。この種数の多さは、カタツムリを含む陸貝の移動能力の低さが影響しています。カタツムリは、見ての通り移動分散能力が低いです。川を渡ることは特に苦手です。そのため、孤立したグループがいくつもでき、それらがそれぞれ別種に進化していくため、種数がどんどん増えるようです。

カタツムリ

カタツムリの食べ物

カタツムリは、種によらず基本的に広食性です。つまり、植物なら種を選ばず、手当たり次第なんでも食べる傾向が強いようです。しかも、緑の葉っぱだけでなく花びらや落ち葉まで食べることもあります。また、植物だけではなく、キノコも食べます。このなんでも好き嫌いなく食べるという習性は、移動能力が低く、餌の探索能力が高くないこと関係していると考えられます。

カタツムリ

比較的なんでも食べられる能力があることと、食べ物の色素を分解する能力が無く、糞を黄色にする胆汁も出さないという特性のおかげで、ニンジンやキュウリなど、派手な色の野菜を食べさせると、いろいろな色の糞をさせることができます。観察してみると面白いかもしれません。

カタツムリはいつ活動するのか。

カタツムリ

カタツムリは、梅雨の時期によく見られる、しかも、雨が降っている最中だけ、という印象を持っている人は多いかもしれません。私も、体が乾燥するから雨のときしか活動しないと思っていましたが、どうやら、そうではないようです。カタツムリは、夜行性であり、基本的には夜にしか動きません。それは、昼間に乾燥するのを防ぐという理由もありますが、天敵となる鳥類からの捕食を免れるためでもあります。晴れた日は、基本的に夜に動き、昼間は天敵に見つからないところで隠れてじっとしていることが多いため、昼に活動する私達が、晴れた日に動いているところを目にすることがあまり無いようです。一方、雨の日は、乾燥せず、天敵の鳥もほとんど活動しないため、昼間から堂々と出てくることができ、私達の目によく入るようです。ちなみに、カタツムリは、大きい種であれば、数年生きるため、1年中あの姿を見られるはずなのですが、寒い冬は冬眠し、乾燥が強くなる真夏にもまた夏眠するため、雨が多く、暑すぎも寒すぎもしない梅雨の時期に最もよく見られるようです。

参考文献:野島智司 (2015) 『カタツムリの謎』 誠文堂新光社