ロイコクロリディウム、聞き慣れない名前の生き物ですが、一度その姿を見たことがある人には二度と忘れられないインパクトを与える生き物です。
ロイコクロリディウムとは
ロイコクロリディウムは、カタツムリに寄生する吸虫の仲間です。日本では、少なくとも沖縄で1種、北海道で2種が見つかっています。
ロイコクロリディウムの特徴的な点は、中間宿主であるカタツムリの体内で派手な動きをし、最終宿主である鳥を、自らおびき寄せるところにあります。ロイコクロリディウムに寄生されたカタツムリは、本来隠れているはずの昼間に、葉の上などの目立つところに出てくるようになるといった行動の変化も見られます。
ロイコクロリディウムの一生
ロイコクロリディウムは、鳥類を最終宿主、カタツムリを中間宿主として寄生します。ロイコクロリディウムは、鳥の腸内で卵を生み、その卵は、鳥の糞とともに排出されます。鳥の糞が、カタツムリの仲間に食べられた時にロイコクロリディウムの卵もカタツムリの体内に侵入します。卵から孵化した幼虫は、無性で増殖し、100個体以上の幼虫になります。それらの幼虫は、broodsacと呼ばれる1つの袋に入ります。Broodsacは芋虫状の形をしていますが、片方の端は派手な色をしており、クネクネと動きます。その派手な色の部分がカタツムリの触角の先端に位置するようにカタツムリの体内に寄生します。カタツムリの触角は、broodsacが独特の動きをすることによって、かなり目立つようになります。また、ロイコクロリディウムに寄生されたカタツムリは、昼間でも明るく目立つ葉の上などを這い回るようになります。この目立つ色と動きによって、ロイコクロリディウムに寄生されたカタツムリは、鳥に食べられやすくなります。鳥がこのカタツムリを食べることにより、ロイコクロリディウムは最終宿主である鳥の腸管内に侵入し、成虫となります。成虫は、吸盤を持っており、鳥の直腸にくっついて、鳥の消化物から栄養を得ます。また、雌雄同体であり、交尾ができますが、無性生殖もできます。
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