ナマケモノはどうして生きていけるのか。

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ナマケモノはどうして生きていけるのか。

2020-01-16T23:27:26+09:00 2020年1月16日|Categories: ALL 生物|Tags: , , , |
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異様なほどゆっくり動くナマケモノ。その特徴的な性質から、よく知られた動物ですが、人間界ならまだしも、野生でどうやって生き延びているのか不思議に思ったことはないでしょうか。この動物の存在は、とことん怠けることが、立派な生存戦略になりうることを証明してくれています。ただ、人間がナマケモノの生き方を真似するのは、ちょっと難しそうです。

ナマケモノとは?

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ナマケモノは、哺乳綱有毛目ナマケモノ亜目に属する動物の総称であり、有毛目の動物には、他にアリクイ亜目の動物が含まれます。ナマケモノ亜目の動物は、ミユビナマケモノ科とフタユビナマケモノ科に分かれます。どちらの科も、南アメリカ、中央アメリカの熱帯林に生息しています。ミユビナマケモノ科の動物は3種、フタユビナマケモノ科の動物は2種います。名前どおり、ミユビナマケモノは、前後両足の指が3本あり、フタユビナマケモノは、前足の指は2本ですが、後ろ足の指は3本あります。

どうして動きが遅いの?

Sloth

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英名でもSloth(怠惰、無精、ものぐさの意)、和名でもナマケモノという名をつけられてしまうほど動きがゆっくりしているナマケモノですが、ゆっくり動くことにもやはり生態学的意義があります。ナマケモノは、木の葉を餌資源として利用します。時期や場所が限られる傾向が強い果実と異なり、木の葉を餌資源とすることによって、それほど多く動いて探索しなくても餌資源を手に入れることができます。一方、植物の葉を主な食べ物にする場合、果実や肉と比べて葉は栄養が少なく消化もしにくいため、多くの草食動物は、大量に食べることが必要になります。しかし、ゆっくり動いてエネルギー消費が極端に少ないナマケモノは、食べ物の摂取量も極端に抑えることができます。摂取も消費も極力小さくする省エネな生き方がナマケモノの生存戦略といえます。

恒常性まで捨てた?ナマケモノ

ナマケモノは、普通の恒温動物が必死で行う体温の維持すら、それほどしっかり行わなくても生きていけるようです。ナマケモノは体温が、25℃〜35℃までの範囲であれば、生きることができます。そのため、他の哺乳動物が体温調整のために行う発汗や震えによって消費するエネルギーを節約することができます。

ナマケモノはどうして捕食者に襲われないの?

多くの草食動物は、捕食者に捕まることから逃れるために、早く走ったり飛んだりすることが出来ます。ですが、ナマケモノは、ここぞというときですら、俊敏に動くことは出来ません。ナマケモノが捕食者から逃れる方法は、届かないところにいる、もしくは、見つからないことです。樹上の高いところにいるというのは、捕食されないためには重要です。ナマケモノの捕食者には、ピューマやジャガーといった地上徘徊性の動物がいるためです。

ピューマ By Bas Lammers – originally posted to Flickr as Puma, CC BY 2.0, Link

ナマケモノが地面に降りるのは、1週間に1回ほどのトイレの時と、ぶら下がる木を変えるために移動する時のみで、滅多に木から降りることはありません。木の上にいれば絶対に安全であるかと言えば、そうでもありません。ナマケモノの捕食者は地上徘徊性の動物だけではありません。ナマケモノが生息している中央、南アメリカには、オウギワシという、体重7キロ、翼開長2mに達する大きな鳥が生息しています。

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オウギワシ Photo by Mdf Mdf [CC BY-SA]

このオウギワシもナマケモノにとって、強力な捕食者です。ナマケモノは、基本的には夜行性であり、昼間は木の上でじっとして、オウギワシのような昼行性の捕食者に見つからないようにしています。また、体の表面に生えた緑色の藻が隠蔽色になっているという説もあります。

このようにナマケモノは、高いところにいることと派手に動かず隠れることによって、上からも下からもやってくる捕食者からうまく逃れて生き延びています。