狩りをするブチハイエナ

2020年2月28日 ALL生物
ブチハイエナ Photo by Marcel Oosterwijk / CC BY-SA

ハイエナは、他の肉食獣の獲物を奪って食べるズルい生き物だというイメージがある人は多いかもしれません。しかし、ブチハイエナは、広大な縄張りを守りながらその中で仲間と協力して狩りをします。

ブチハイエナの縄張り

ブチハイエナ Photo by Alpcem from pixabay

テリトリーの大きさは40 km2から1000km2以上になることもあります。1000km2は東京都の半分ぐらいの大きさです。テリトリーは、音声によるディスプレイや臭いによるマーキング、境界のパトロールをして守ります。

ブチハイエナの狩り

群れで狩りを行うときは、シマウマやヌーなど、56-182kgの獲物を好んで狙います。単独で狩りをするときは、ノウサギや地上徘徊性の鳥、魚などを狙います。ブチハイエナは、時速60km以上の速さで走ることができます。ですが、最初からトップスピードで追いかけるのではありません。また、獲物の種類によって狩りの仕方を変えます。大型のレイヨウを狩るときは、多くの場合は、1匹のハイエナが5kmほどの距離を時速60km以下の速さで追跡し、相手が疲れてきた頃に仕留めます。シマウマはオス一頭と、複数等のメス及び、その子供で構成された群れを形成します。群れがブチハイエナから逃げる際は、オスはブチハイエナに攻撃をしかけます。これに対抗するため、ブチハイエナは、レイヨウとは異なった方法で狩りをします。シマウマを狩るときには、ブチハイエナは、10-25頭くらいが協力し、時速15-30kmで3kmほどシマウマの群れを追跡します。そのうち疲れて群れから遅れ、オスのシマウマの防衛から外れたシマウマを仕留めます。

ブチハイエナ Photo by h_anatole0 from pixabay

ハイエナは、顎の力が非常に強く、硬くなった死肉や骨まで噛み砕くことができます。ライオンやチーターなど他の肉食獣が食べ残したものまで食べることができ、食べ残しが全くないこともあるようです。骨を消化して栄養にすることができるため、餌が少ない時期には、骨を食べて凌ぐこともあります。

ブチハイエナ Photo by appenz / CC BY

1回の食事で、体重の3分の1ほど、つまり、15-20キロほどの肉を食べて消化することができます。グループで狩りをして獲物を倒したときには、ライオンのように、他のメンバーを追い払って食べるというよりは、早食い競争のようになります。ブチハイエナ35頭で大人のシマウマを36分で食べ尽くしたという観察もあるようです。

ブチハイエナとライオン Photo by lubye13 / CC BY-SA

ブチハイエナは、よく知られているように、ライオンから食べ物を奪うこともありますが、食べ物の6割以上を自分で捕まえています。ちなみに、ライオンが自分で捕まえた獲物を食べる割合は、5割以下で、食べ物の2割は、ハイエナから奪った獲物であったという報告もあります。