羊ってどんな生き物?

2021年11月20日 ALL生物

羊は、日本の動物園や牧場でよく見られる馴染みのあるモフモフです。今回は、羊の家畜化の歴史と日本でよくみられる品種のお話です。

羊の原種、ムフロン

ムフロン

ヒツジの原種ムフロン、ムフロンには家畜のヒツジに見られるような縮れた柔らかい毛は少ない。

ムフロンは南西アジア原産で、現在は狩猟圧により激減しましたが、山岳地帯では見られる地域があります。険しい地形の場所でも行動することが可能で、縄張り意識が少なく、群れを作って生活します。羊と言えば毛の利用を真っ先に思いつきますが、家畜化は脂や肉を目的に始まったと考えられています。

牛や馬より早い羊の家畜化

人が初めて家畜化した野生動物は犬であり、紀元前15000年頃だと考えられています。次いで、豚、ヤギ、羊の家畜化が紀元前10000年頃に始まったと考えられています。この3種の中では、豚が一番早かったのではないかという説もありますが、少なくとも羊は、野生動物が食用に飼育されるようになった初期の頃に家畜化された動物の一つであると考えられています。

ヒツジ羊の家畜化の正確な時期を特定するのは困難ですが、紀元前8000年のシュベルデという地域では、野生のものより小型の羊が居たことがわかっており、このことは人間の管理下で繁殖していた可能性を示唆します。羊の小型化は、管理がしやすい小さい個体が選抜された結果だと考えられています。紀元前6000年頃には、南西アジアの広範囲で食肉と乳製品をえるために飼育されており、野生の分布域以外でも飼育されていました。

黒い顔と白い顔の羊

サフォーク

サフォーク

日本でよく飼育されている黒い顔の羊は、サフォークというイングランドで作られた品種の羊で、羊毛もとれますが、主に羊肉を取るために飼育されます。日本で飼育される羊の約80%がサフォーク種です。大型の羊で、体重は、70kgから135kgほどになります。

コリデール

コリデール

一方、白い顔の羊については、日本ではコリデールと呼ばれる品種が比較的よく見られます。羊毛と羊肉を生産するために飼育されます。羊毛用の羊としては、世界的にはメリノという品種が良く飼育されるのですが、ニュージーランド原産のコリデールは日本の温暖湿潤な環境によく適応しており、国内では本品種が盛んに飼育されてきました。1950年代には、100万頭ほどが飼育され、国内で飼われる羊の主要な品種でしたが化学繊維が使用されるようになるにつれ需要は減り、現在の飼育数は1万頭以下です。