有名な童謡に歌われ、日本でサルとして認知度の高いアイアイですが、実際のアイアイは、サルだと言われなければサルだとは思えないような見た目をしています。どうしてアイアイはサルでありながら、サルっぽい見た目をしていないのでしょうか。
アイアイとは?
アイアイ Daubentonia madagascariensisは、霊長目アイアイ科アイアイ属に属する動物です。アイアイ科アイアイ属の唯一の現存する種です。動物の名前らしくない名前ですが、アイアイが標準和名です。特徴的な指を持つことから、ユビザル(指猿)という別名がつけられています。アイアイは、マダガスカル島に生息する固有種です。
アイアイの形態的特徴
大きな目、大きな耳をもち、童謡の通り長い尾も持ちますが、一般的なサルが持っているような細く長い尾ではなく、太くて毛がふさふさした尾です。前足の中指が異様に細長い、門歯(前歯)が伸び続けるという特徴ももっています。
大きな目
サルの仲間では珍しく、アイアイは夜行性です。暗いところで物を見る必要があるため、目が大きいと考えられます。同じ霊長目で夜行性であるメガネザルもアイアイと同様に大きな目を持っています。
長い中指と大きな耳
アイアイの特徴的な細くて長い中指と大きな耳は、採食する際に重要な役割を果たします。アイアイは中指で一秒間に8回以上もの早さで物を突き(タッピング)大きな耳で音を確認することによって、木の幹の中に潜む昆虫の幼虫の存在を確認し、門歯で幹をかじり割り、中指をその穴に突っ込んで中身を掻き取ります。中指が異様に細く長いことによって、狭い隙間に奥まで指を入れることが可能です。また、中指は、硬い殻に覆われた種子の中身を歯で開けた穴から掻き取るのにも使われます。