仲いいわねぇ、マーラさんとこ。

2023年10月22日 生物

おしどり夫婦、仲睦まじい夫婦を指す言葉ですが、おしどりのつがいは実は繁殖期だけという残念なお知らせを以前しました。じゃあ、生涯仲の良い夫婦はなんと言えばいいんだ!?これからはマーラ夫婦と呼びましょう。

マーラとは?

マーラ

マーラ Dolichotis patagonum は、齧歯目テンジクネズミ科マーラ属の動物で、モルモットやカピバラと同じ科に属します。マーラは、マーラ属唯一の種です。体重8〜16kg、体長70cmほどで、尻尾は短く、後ろ足が長く、ネズミというよりは耳の短い大きなウサギのように見えます。

どんなん所に住んでいるの?

マーラ

マーラは南米のアルゼンチンにのみ分布します。森林や草原、ステップのような乾燥地に生息しており、開けた環境にも適応した動物です。

どんなものを食べるの?

マラーは昼間に活動し、植物の葉や果実を食べます。消化しにくい食べ物も利用することができ、単子葉植物が食べ物の7割を占めることもあります。

マーラの天敵

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マーラの天敵、グリソン Photo by Tony Hisgett, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons

マーラは、特に子供は、キツネやグリソンというイタチの仲間、ネコ科の動物、猛禽などに襲われることがあります。オスは、天敵を見張ることに多くの時間を費やします。成獣は、なんと時速45kmで長距離を走ることができます。

マーラ

後ろ足には発達した肉球をもつ

夫婦の証はおしっこで

マーラ

雌雄が一度ペアになると、どちらかが死ぬまで解消されません。オスはメスに自分の尿をかけてマーキングし、他のオスを牽制します。また、メスの活動場所にも分泌物や糞でマーキングし、縄張りを主張します。ちなみに、オスはメスを誘うときにも後ろ足で立ち上がりメスのおしりに尿をかけますが、メスはオスの誘いに気が乗らないと、オスの顔面に向けて尿をかけかえします。

みんなで暮らすと安心な共同生活

マーラ

マーラは自分で巣穴を掘り、子育ての時だけ巣穴を使います。複数のペアが同じ巣穴を使うことがあり、大きなグループになるほど子供が捕食者に襲われるリスクが減少します。29組ものマーラが同じ巣穴を共有したという報告もあります。母親は一日に1-2回、授乳のために巣穴を訪れます。母親が積極的に自分の子以外を世話することはあまりありませんが、子はこっそり自分の母親以外の乳を飲むことがあるようです。子供たち同士は、頻繁に遊んだり毛づくろいをし合ったりします。子供は4ヶ月ほど巣穴の中で過ごします。