エイとかマンタとか
水中でマントを広げて空を飛んでいるかのように泳ぐマンタ、その圧倒される大きさと悠然とした動きから水族館でも人気の生き物です。でも、同じ水槽の中にマンタっぽい形の生き物が何種類かいるような、、、そういえばエイともいうような。。。ということで、今回は、エイとマンタのごちゃごちゃをすっきりさせたいと思います。
この記事の目次
エイとは?
エイとは、他にギンザメ類、サメ類が含まれる軟骨魚類のうち、鰓孔(えらあな)が腹面にある生物を指し、現在シビレエイ目、ノコギリエイ目、ガンギエイ目、トビエイ目が含まれます。そのため、よくエイとして認識される平べったい形状ではなく、サカタザメの仲間のように一見サメのような形状であっても、鰓孔は腹面にあればエイに分類されます。
マンタとは?
エイのうち、もともと英名でGiant mantaと名のついているオニイトマキエイ Mobula birostris が日本でもマンタと呼ばれていました。しかし、2009年にオニイトマキエイと思われていたものが2種に分かれることが判明し、もう一方の種には、ナンヨウマンタ Mobula alfredi という名がつけられました。現在は、オニイトマキエイとナンヨウマンタの2種が、マンタと呼ばれています。
マンタの生態と他のエイとの見分け方
マンタは、イトマキエイ科イトマキエイ属に属します。オニイトマキエイは、世界の熱帯、亜熱帯の外洋の表層で生活しますが、沿岸部に現れることもあります。ナンヨウマンタは、インド洋、太平洋の熱帯、亜熱帯海域に生息します。イトマキエイ属の種は大きな口を開けて海水と一緒にプランクトンを飲み込みます。マンタ以外のイトマキエイ属の種は、口が頭部の前方腹面につつき、前方から海水を吸い込めるように口が開きます。マンタでは、口はより頭部の前方につき、泳ぎながら海水をより効率よく取り込めると考えられます。
マンタ以外のエイの仲間には、水中の底に生息している貝類や甲殻類、小魚などを食べる種がいますが、そのような種では口が腹側につき、体の下側にいるものが食べやすくなっています。この口の位置が腹側なのか頭部の前面であるのかによって、マンタと他のエイを見分けることができます。ちなみに、頭部の2つの飛び出た部分は頭鰭(とうき)と言われ胸鰭が変化したものです。海水を吸い込む際に、海水を口元に誘導する役目を果たします。速く泳ぐときには両方巻き上げて筒状にしたり、方向転換のときは片方だけ巻き上げることもできます。
この頭鰓の形状が、糸巻き(イトマキ)のようであることが、和名の由来です。