12月に入り、近所の水辺がにぎやかになってきました。冬越しのために渡ってきたカモ類が全国各地で確認されています。
「気候変動いきもの大調査 秋冬編」(外部リンク)でもクエスト対象になっているカモを観察してみましょう!
カモはなぜ渡る?
日本で見られるカモ類の多くは、夏場、極東ロシアで繁殖し、秋になると越冬のために日本に飛来します。
カモ類は、採食場所やねぐらとして池や湖を利用します。冬になると、水場が凍結してしまうので、カモ類は食べ物が豊富で安全な水場を求めて、南へ渡ります。
ただし、行き先は単に南方であればよいかというと、そうではありません。春にはまた北に戻る必要があり、それも、できるだけ早く戻った方が繁殖に有利になります。なので、「水面の凍結や積雪がなく、できるだけ北の繁殖地に近い場所」が、カモ類にとって理想的な越冬地です。カモ類のくらしは、いかに気象条件を正しく見極められるかにかかっています。
Biomeで見るカモ前線2022秋
今年の渡りはどんな状況でしょうか?2022年10~11月の2か月間にBiomeで投稿されたデータを使って、よく見られる代表的な3種について渡りの前線をまとめました。
カモは北海道や朝鮮半島など、さまざまな経路で日本へやってくるので、一概には言えませんが、おおよそ北から順に飛来している様子がうかがえます。どの種も10月から投稿数が急増しているので、この時期に全国的に観察されるようになったのでしょう。
この3種以外にも、様々な種類のカモが飛来しています。
Biomeに投稿されたデータを集計すると、東京の不忍池、京都の鴨川など都市の中の環境でも、10種類以上のカモの仲間が観察される場所があるようです。
カモ類のくらしが変化している?
近年、地球温暖化による様々な影響が知られるようになってきました。上述のように、カモ類のくらしには気温や積雪など気象条件が大きくかかわっているので、地球温暖化によって生態が変化する可能性がありますが、まだまだデータが足りず、よくわかっていないことが多いです。
Biomeで行ってきた「気候変動いきもの大調査」の結果(外部リンク)では、北海道の中で特に寒さの厳しい地域でも、越冬するカモ類が報告されています。もしかすると、冬の気温の上昇が、カモ類のくらしを少しずつ変えているのかもしれません。
「気候変動いきもの大調査 秋冬編」のカモクエストにチャレンジ!
Biomeでは、「気候変動いきもの大調査 秋冬編」を実施中です。この調査は、参加者が集めたいきもののデータを過去のデータとあわせて解析し、地球温暖化の影響を調査することを目的としています。調査対象は、カモ類をはじめ、気候変動の影響を受けている可能性のある様々ないきものたち。現在、27個の特別クエストが配信されています!
皆さんの投稿のひとつひとつが貴重なデータになります。
ご参加お待ちしております!
イベント特設ページはコチラ(外部リンク)
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参考書籍:嶋田 哲郎 (2021)知って楽しいカモ学講座 カモ、ガン、ハクチョウの世界 緑書房