クリスマスツリーの種類
もうすぐクリスマス。ところで、クリスマスツリーって何の樹か考えたことありますか。
クリスマスツリーの起源
クリスマスツリーは、15 – 16世紀頃に北ドイツや現在のラトビアの東北部あたりで、クリスマスのお祝いに市庁舎で飾られたのが始まりと言われています。
クリスマスツリーの樹種
クリスマスツリーと言ったらモミの木ですが、モミ Abies firma という種は日本固有のマツ科の植物で、本州から九州に生育します。したがって、発祥の地であるヨーロッパでは、クリスマスツリーにはモミではなく他の種が用いられています。
ヨーロッパでは、ツリーとして飾るために伐採した後、葉の色や香りが長く保たれるセイヨウモミ Abies alba が好まれます。ただ、セイヨウモミはヨーロッパの北部では自生せず、その地域では栽培が難しいです。そこで、より耐寒性の強いトウヒ属のドイツトウヒ Picea abies がよく使われているようです。その他、モミ属やトウヒ属の数種に加えて、ヨーロッパアカマツ Pinus sylvestris やイタリヤカサマツ Pinus pinea といったマツ科マツ属の数種も使われているようです。
アメリカでは、マツ科トガサワラ属のベイマツ Pseudotsuga menziesii やバルサムモミ Abies balsamea などのモミ属数種、 Pinus edulis などのマツ属数種など現地に自生する針葉樹がしばしば使われます。オーストラリアでは、木材やパルプ用によく植林されるマツ科マツ属のラジアータマツ Pinus radiata が使われることが多いようです。
日本では、モミが使われることも多いですが、トドマツ Abies sachalinensis やドイツトウヒのほか、ヒノキ科イトスギ属のモントレーイトスギ Cupressus macrocarpa の園芸品種であるゴールドクレストもよく使われます。
クリスマスツリーに使われうる樹種
冬にも葉をつけている常緑樹は、キリスト教では永遠の生命を象徴しているとされます。そのため、樹種はそこまで重視されることはないようで、常緑針葉樹という条件さえ合えば、様々な種がクリスマスツリーとして使われうるようです。