2025年9月30日
コニシキソウが立った??

コニシキソウといえば、他の植物に被陰されない裸地のような環境で地面を這う植物で、草むらの中ではあまり見かけません。じゃあ、この植物はいったい何でしょう。
この記事の目次
アレチニシキソウとは?

アレチニシキソウ Euphorbia sp.は、トウダイグサ科トウダイグサ属の一年草です。日本で発見された当初に同種と考えられていた海外原産の種が誤りであったことが後に判明し、現在でも種がわかっていません。ただ、おそらく外来種であると言われています。

道端や荒れ地、公園などに生育します。西日本を中心に広がっていると考えられています。
茎が立ち上がるアレチニシキソウ

30cmほどの背丈に成長したエノコログサやメヒシバで覆われている草刈り前の公園で、それらに負けじとばかりにアレチニシキソウが生えていました。同じ公園には、北アメリカから中央アメリカ原産で同属のコニシキソウ Euphorbia maculata も生えていました。こちらは、公園の入口近くのより乾燥と踏圧が強い環境で、コンクリート脇の地面を這うように生えていました。

アレチニシキソウはコニシキソウによく似た外見を持ちますが、本種のほうがより立ち上がって生育する傾向があるように思われます。そのため、周囲の植物にすぐ被陰されてしまうコニシキソウに比べて、アレチニシキソウは背丈の高い植物が生えている場所でも、数十センチ程度の高さであれば競争に負けずに生育できるのではないかと考えられます。
【参考文献】
坪田博美 他 (2016) 広島の帰化植物 7.ハイニシキソウとアレチニシキソウ., 161–167.