2026年2月23日

センダン

冬に白い実が目立つセンダンは、河川敷や公園など身近にみられる樹木の一つです。日本には他に近縁種はなく、一度覚えると比較的見つけやすい樹種かもしれません。

センダンとは?

センダン Melia azedarach は、ムクロジ目センダン科センダン属の落葉高木です。センダン科の植物は、熱帯から亜熱帯地域を中心に約46属700種ほどが知られていますが、日本の野外で見られるものはセンダン以外にはありません。センダン科の有名な植物としては、木材が高級家具や高級楽器に使用されるマホガニー Swietenia mahagoni があります。センダンは、国外ではヒマラヤ山麓、中国、台湾、朝鮮半島で見られ、国内では伊豆半島以西の海岸近くや森林辺縁、河川敷などに生育します。庭や公園、街路にも植えられます。ヒマラヤ地方原産と言われますが、古くから植栽されているため、天然の分布域はよくわかっていません。「あふち」という名で西暦700年頃に作られた万葉集にも出てくることから、かなり昔から日本に生育すると考えられています。ちなみに、平安時代にはさらし首を置く台にセンダンが使われていたようです。これは、センダンがインドや中国で悪霊を鎮める木であるとされ、日本でも邪気を祓うと信じられていたためではないかといわれています。

センダン
センダンの花と葉 Photo by KENPEI, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

冬季に白い実をたくさんつけるセンダン

センダンは、10月頃から1.5cmほどの長さのクリーム色の実をたくさんつけます。センダン自身の葉も落ち、他の落葉樹の葉も落ちている時期のため、大きな河川敷など開けた場所ではセンダンの果実がとてもよく目立ちます。果実は、ヒヨドリやカラスなどが食べに来ます。

センダン
センダンの実

しかし、果実にはサポニンという毒が含まれています。サポニンは、細胞膜を破壊し、血管内に入ると赤血球を破壊する作用があります。少なくともヒトには、経口摂取でも毒性があると考えられています。一方で、センダンの実は生薬として利用され、ひび、あかぎれに外用したり、整腸剤、鎮痛剤として使われてきました。

センダンの材を利用する試み

センダンの幹

傷のつきにくさや強さの点から、家具や床材には広葉樹が適しているといわれますが、広葉樹は一般にスギやヒノキなどの針葉樹と比べて成長が遅く、材木にするのに80年以上の年月が必要です。一方、センダンは苗を植えてから20〜30年で木材として利用することができます。木目はケヤキに似ます。肥沃で水分が豊富な環境を好むセンダンの特性から、耕作放棄地などを活用してセンダンを育て、材を作る試みがなされています。