【検証】スマホで小鳥を撮影する方法

2021年10月17日 ALL調査・観察方法

スマホで鳥を撮影したい!

冬鳥のシーズンが到来!鳥を撮影してBiomeに投稿したい!…けど、スマホのカメラでは遠くからの撮影は難しく、近づけば逃げられてしまいます。どうにか簡単に撮影する方法はないものか。そこで、バイオームスタッフがスマホで鳥を撮影する方法を検証しました。


検証方法

検証のためのセッティング

実物の鳥では条件を揃えるのが難しいので、今回は実寸大のメジロを印刷したボードを用いて検証しました。野外にボードを設置し、そこから15m離れたところを撮影地点としました。警戒心が薄い都会の鳥でもこれ以上近づくと逃げてしまうことが多いので、最低限確保したい距離です。

撮影場所(賀茂川河川敷、天気はやや曇り)

使用機材

検証には以下の機材を使用しました。

・スマホ①:OPPO Reno 10×Zoom(OPPO)

・スマホ②:iPhone7(Apple)

・単眼鏡:ウルトラビュー(KenkoTokina)

OPPO Reno 10×ZoomはOPPO社から発売されたハイエンドスマホで、高性能な望遠レンズを備えた機種です。焦点距離の幅が16~160mmととても広いので、今回の検証に用いました。iPhone7は一般的なスマホカメラの代表として使用しました。また、今回の検証ではスマホに単眼鏡を接続して望遠カメラになるか検証してみました。


結果

ハイエンドスマホの撮影結果

まずは現行スマホの中でトップレベルのカメラ性能を持つOPPO Reno 10×Zoomを用いて実験です。そのままの1倍、光学ズームを用いた5倍、光学ズームとデジタルズームを併用した60倍を比べてみました。

60倍ズームを用いるとメジロの輪郭と色が認識できるものの、デジタルズームによってぼやけてしまいました。しかし、スマホだけでこの寄り具合、さすがはハイエンド機種ですね。一般のスマホでは5倍ズームくらいの撮影が限界でしょう。

単眼鏡を使用した結果①

スマホの望遠性能をアップするために単眼鏡を使ってみましょう。今回は安価に購入できる単眼鏡としてKenkoTokina社製のウルトラビューを使用しました。倍率は7~21倍で調整できますが、高倍率では手振れが大きくなるので7倍で運用します。

単眼鏡とスマホの接続には、Goskyのアダプターマウントを用いました。OPPO Reno 10×Zoomのレンズの位置が特殊なのでこうしたものを用いましたが、一般的なスマホならクリップ状の固定器具と単眼鏡のセット商品で十分でしょう。

では、まずはOPPO Reno 10×Zoomに単眼鏡(倍率7倍)を接続し、スマホカメラの倍率を様々に変化させて撮影した結果から見てみましょう。

単眼鏡を用いることでデジタルズームを抑え、かなり寄った写真でも鮮明に撮影できました。また、スマホのズームが3~5倍くらいでもメジロを認識できる程度には写っています。これ以上の高倍率では手振れが大きくなりすぎて撮影が困難でした。

単眼鏡を使用した結果②

次にiPhone7に単眼鏡を接続した結果です。これで撮ることが出来れば、たいていの機種で有効な方法でしょう。単眼鏡の倍率を固定し、iPhoneの倍率を変更して撮影しました。

ハイエンドスマホに単眼鏡を繋げた時ほど鮮明ではないものの、メジロを十分に確認できるくらいには拡大することが出来ました。明るさと手振れも許容範囲という印象です。


考察

単眼鏡は効果あり!

ここでもう一度、実験結果を比較してみましょう。

もっともよく撮影できたのはOPPO Reno 10×Zoomに単眼鏡を接続した時でした。スマホの光学ズームと単眼鏡を掛け合わせることでかなり鮮明に対象を捉えることが出来ます。

デジタルズームしか搭載していないiPhone7でも単眼鏡を用いることで及第点程度には寄った撮影が可能でした。最近のスマホではデジタルズームに併せて2~3倍程度の光学ズームを搭載しているものも多く、より鮮明に撮れる機種も増えてきています。

結論としては、身近な鳥を撮る場合はスマホ+単眼鏡で対応可能です。単眼鏡は倍率8倍程度の固定倍率のものであれば2000円台前半からあるので、大きな望遠レンズを買うよりも手軽なのも良い点ですね。一方、警戒心の強い鳥の場合、数十メートル以上距離を取る必要があるので、おとなしく一眼レフカメラで撮影しましょう。スマホカメラの技術の進歩は目覚ましいものがあるので、今後の発展に期待です。

手振れを防ぐには?

高倍率になるほど手振れが大きくなります。15m程度の距離ならスマホの手振れ補正機能でどうにかなりますが、気になる人は持ち運びできる一脚やスマホ用三脚がおすすめです。大きな三脚だとかさばりますし、街中で取り出して固定するのは迷惑にもなります。

筆者はVelbon製の一脚(ULTRA STICK SUPER8)を愛用してます。今回の実験で使った単眼鏡のアダプターマウントには一脚との接続穴があるので、固定も簡単です。単眼鏡側に接続穴があるものもありますが、スマホの重みでスマホと単眼鏡の接続がズレたりするので、一脚を用いる場合はスマホをがっちりホールドできるアダプターマウントを用いることをお勧めします。


Lets スマホでバードウォッチ!

まずは公園の人馴れしたハトやカモで撮影の練習をしましょう。慣れてきたらセキレイやムクドリなど動き回る鳥にチャレンジするのも良いでしょう。望遠レンズで覗いてみると、遠くからはわからない鳥の形や動きを観察することができます。Biomeへの投稿もお忘れなく。ナイスショットをお待ちしております!

スマホと単眼鏡で撮影したカワセミ


<注意事項>

※スマートフォンによって適合する単眼鏡やアダプターマウントは異なります。事前に十分確認の上ご購入ください。

※適合しないアダプターを用いた場合、画面やカメラが破損する恐れがあります。不適合なアダプターの使用や、過度なネジの締め付けなどは危険なのでやめましょう。

※その場所で定められたルールに従い、周囲の迷惑にならないように撮影しましょう。