アメリカナマズの実地調査 ~宇治川編~

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アメリカナマズの実地調査 ~宇治川編~

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アメリカナマズとは?

アメリカナマズ(標準和名:チャネルキャットフィッシュ)とは、アメリカ原産の大型のナマズです。

アメリカナマズ(photo by 内田光星)

 

食用目的で国内に移入され、養殖場から逃げ出すなどしたものが各地の淡水域に定着し、1995年ごろから個体数が急増しています。雑食性でなんでも食べて大きく育つことから、在来の生き物との競合が懸念されるほか、漁獲物の横取りや、ひれの鋭いトゲによる漁業者のケガなど、人間活動への影響も無視できません。

こうした影響を鑑み、本種は2005年には特定外来生物、2018年には緊急対策外来種に指定されています。アメリカナマズを生きたまま保管・運搬・放流することが法律で禁止されているほか、本種の侵入が確認された水系では、防除も含めた適切な対策をとる必要があります。

これまで、国内12水系で捕獲記録があるアメリカナマズですが、各々の水系における個体数や細かな分布域は分かっていません。また、発見された水系以外にも定着している可能性もあり、全国規模でのさらなる調査が必要です。

 

アメリカナマズに対するバイオームの取り組み

現在バイオームは国立環境研究所 琵琶湖分室へスマートフォンアプリ「Biome」を提供し、全国を対象とした外来魚のアメリカナマズ(チャネルキャットフィッシュ)の市民参加型分布調査を3月8日(月)より実施しています。

収集されたデータは、国立環境研究所琵琶湖分室の実施する研究プロジェクト「市民科学手法を活用した外来魚アメリカナマズの侵入前線検出」において、アメリカナマズの分布把握や効果的な管理手法の検討・開発に活用されます。

⇓詳細はこちらから⇓

【国立環境研究所×Biome】スマホアプリを用いた外来魚「アメリカナマズ」の全国調査を実施

 

京都府宇治川におけるスタッフの調査

弊社スタッフが実際にアメリカナマズの侵入を調査するシリーズ第2弾です。

今回は淀川水系のひとつでもある宇治川へ行ってきました。

宇治川 調査前日が大雨でしたので水が濁り気味です。

 

宇治川は前回調査を行った瀬田川の下流に当たる大型河川です。リンクはこちら → アメリカナマズの実地調査へ行ってきました

滋賀県大津市南郷の洗堰(あらいぜき)から下流が宇治川領域とされており、現在アメリカナマズの分布が最も懸念されている地域のひとつです。

 

検証方法

今回の調査では時間の都合上、昼すぎ頃から約3時間ほど、釣獲による調査で検証しました。

アメリカナマズの活動が活性化するのは夕方~夜間ですが、果たして結果はどうなるのでしょうか。

 

結果

調査開始30分後ほど経過したころ、なんと大きさ50cmほどのアメリカナマズがいきなりヒットしました!

 

アメリカナマズかどうかの判別は、こちらの図を参考にしましょう。

 

 

上記の特徴に加え「腹側が銀色っぽく、黒い斑点模様が散らばる」という特徴も考慮した結果、やはりアメリカナマズであると判断できました。

 

スマートフォンとの比較。かなりの大きさです。

 

顔のアップ。8本のヒゲが確認できます。

その後はギギや中くらいの淡水魚(おそらくコイ?)を捕獲しましたが、再びアメリカナマズがヒットすることはありませんでした。

おそらく調査していた時間帯が、アメリカナマズの活動がおとなしくなる時間帯だったのではないかと考えれれます。

まとめ

今回の調査では、時間帯的にアメリカナマズの活動が比較的おとなしい時間帯での調査でしたが、これほどの大きさの個体が、調査開始から30分ほどで捕獲できたことに驚きを隠せませんでした。

私たちが調査した際、水草周辺にヤゴがいたり川岸にカワセミが確認できるなど、比較的豊かな生態系が宇治川には存在していると考えられますが、そういった生き物がアメリカナマズに食べつくされてしまうという懸念があります。

今回は1匹しか捕獲できませんでしたが、潜在的にかなりの個体数が宇治川には繁殖していると考えられます。今後とも淀川水系では引き続きの調査が必要であると感じました。

 

一方で、6月17日の毎日新聞ではこのような記事が報じられました。

『琵琶湖のアメリカナマズ根絶か 瀬田川上流で20年秋から捕獲ゼロ』

こちらの記事では、滋賀県水産試験場試験場の調査や県漁業協同組合連合会の駆除事業が功を奏し、「2020年秋以降 瀬田川の洗堰上流にてアメリカナマズが1匹も捕獲されていない」という旨が記載されています。

前回スタッフが瀬田川にて実地調査を行った際にも、実際アメリカナマズを捕獲することはできませんでした。

 

このように、私たちが行動することによって外来生物の分布拡大は少しずつ抑制することができます。

 

しかしこちらの記事にもあるように、「手を緩めると再び繁殖する」という側面もあります。我々スタッフも手を緩めることなく、さらなる調査を継続していこうと思いました。

 

アメリカナマズ調査に是非ご協力お願いします!

国立環境研究所とバイオームでは引き続き、全国を対象とした外来魚のアメリカナマズ(チャネルキャットフィッシュ)の市民参加型分布調査を実施しています。

広範囲の調査が必要とされるアメリカナマズにおいて、より多くの方が協力いただくことにより、効果的な調査となることが期待されます。またアメリカナマズのみならず、似た種のナマズ(在来種)やギギの分布データも大きな意味を持つものになります。

 

湖・河川の豊かな生態系を守るため、引き続きご協力をよろしくお願いします!

 

※ご注意

※1:アメリカナマズをはじめとする外来魚を生きたまま移動させることは、外来生物法で禁止されています。環境省のガイドラインに基づく然るべき対処を実施の上で、お持ち帰り等お願い致します。

⇓詳細はこちらから⇓

外来生物法-生きたままの外来生物の取り扱いにご注意ください-

※2:アメリカナマズは骨が非常に硬く、ヒレにも鋭いトゲがあります。捌く際には十分お気を付けください。

※3:新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、3密の回避並びに緊急事態宣言、まん延防止等重点措置発令地域におきましては不要不急の外出は自粛していただくよう、何卒ご協力をよろしくお願い致します。